TV DRAMA REVIEW HOME

利家とまつ〜加賀百万石物語〜 (NHK総合日曜20:00〜20:45)
制作著作/NHK
制作統括/浅野加寿子
原作・脚本/竹山洋
演出/佐藤峰世(1、2、3、4、9、10、15、18、19、25、26、32、37、41、45、49)、鈴木圭(5、7、8)、伊勢田雅也(6、11、12、16、20、21、29、34、39、42、48)、本木一博(13、14、17、22、23、30、31、35、40、46)、井上剛(24、43)、田村文孝(27、28、33、38、44)、梶原登城(36)、土屋勝裕(47)
音楽/渡辺俊幸
語り/阿部渉アナウンサー
出演/前田利家…唐沢寿明、まつ…松嶋菜々子、織田信長…反町隆史、豊臣秀吉…香川照之、おね(北政所)…酒井法子、はる…天海祐希、佐々成政…山口祐一郎、佐脇良之…竹野内豊、松平元康…高嶋政宏、市…田中美里、浅井長政…葛山信吾、浅野長政…加藤雅也、奥村家福…中条きよし、安…松原智恵子、淀殿…瀬戸朝香、村井長頼…的場浩司、前田利長…伊藤英明、前田慶次郎…及川光博、麻阿…佐藤藍子、豪…須藤理彩、石田三成…原田龍二、千代保…田畑智子、前田長種…辰巳琢郎、丹羽長秀…梅沢富美男、佐久間信盛…田中健、ゆう…羽田美智子、高山右近…沢村一樹、林通勝…山本晋也、村井貞勝…苅谷俊介、池田恒興…渡辺裕之、幸…椋木美羽、蕭…上原さくら、中川光重…関口知宏、松の丸(京極)殿…三浦理恵子、滝川一益…松井範雄、前田安勝…山西惇、前田利政…成宮寛貴、山上宗二…櫻木健一、岩…森下涼子、永…水橋貴己、権太…徳井優、三好秀次…池内万作、大透圭徐…大島宇三郎、片桐且元…吉見一豊、本多忠勝…近童弐吉、細川忠興…黄川田将也、ガラシャ…中西夏奈子、やや…林真里花、みち…神崎彩、四井主馬…来須修二、豊臣秀頼…猪腰真之介、前田猿千代…阿部修也、伊達政宗…遠藤雅、福島正則…伊藤裕正、加藤清正…松田敏幸、宇喜多秀家…芦田昌太郎、毛利輝元…大森啓祠朗、増田長盛…北見誠、長束正家…藤岡大樹、前田玄以…きくちとめお、千世…河辺千恵子、三の丸(織田)殿…石浜加奈恵、加藤嘉明…浪花勇二、おふく…山崎千惠子、森蘭丸…ウエンツ瑛士、直江兼続…鈴木綜馬、蒲生氏郷…宇崎慧、佐久間盛政…鈴木祐二、与免…秋定里穂、千世…河辺千恵子、籍…川野礼絵、氷見助右衛門…村上ショージ、不破直光…小林健、志づ…江口由起、又若丸…野村太一郎、麻阿・子役…柳沢なな、茶々・子役…神崎詩織、与免・子役…中井さくら、前野勝右衛門…正希光、佐々平左衛門…堀正彦、木村三蔵…長沢政義、織田信忠…日野誠二、公家…浜口悟、佐々清博…石川貴博、穴山梅雪…重水直人、小塚藤右衛門…二反田雅澄、毛受勝介…永島浩二、種村三郎四郎…高杉航大、豪・子役…大田ななみ、足立六兵衛…大八木淳史、前田秀継…菅原加織、足利義昭…モロ師岡、遠藤直経…温水洋一、あら鹿…高山善廣、築山…つちだりか、徳川信康…関根豊和、細川藤孝…千葉哲也、稲葉又右衛門…新実、前田利勝・子役…郭智博、毛利新介…川崎一馬、浄春尼(土田御前)…高林由紀子、濃姫…石堂夏央、前田利玄…布川敏和、たけの…大森暁美、まつ・子役…山口美香、なか(大政所)…草笛光子、ふく…池内淳子、たえ…八千草薫、吉乃…森口瑤子、今井宗久…林隆三、千宗易…古谷一行、明智光秀…萩原健一、不破光治…五木ひろし、孝蔵主…涼風真世、井口太郎左衛門…丹波哲郎、柴田勝家…松平健、前田利久…三浦友和、つね…名取裕子、うめ…赤木春恵、上杉景勝…里見浩太朗、たつ…加賀まりこ、前田利昌…菅原文太
ほか

>>公式サイト


最終回「永遠の愛」(12/15放送)
☆☆★
 結局、“利家”と“まつ”はどう組み合わせにすればよかったのか?『利家とまつ』というよりも『まつと利家』?いっそ『まつ』だけ?あぁ、単なるタイトルの話ですよ。ただ、『利家』ってのだけはなかったかな。
 栗の大樹の年輪に人生を重ね合わせる場面が、いかにも締めくくりらしい趣でいい感じ。それにしても、はる(天海祐希)はしぶとかったね。一旦は死亡者リストにも名前を連ねたはるでしたが、結局最後までしぶとく生きてたとはね。(結)


第48回「家康暗殺」(12/8放送)
☆☆★
 家康(高嶋政宏)と利家(唐沢寿明)のつばぜり合いが、ほどほどに盛り上がる。あと一回ありますけど、この大河って豪華キャスト以外についてはホント、ほどほどだったよなぁ。(結)


第47回「秀吉死す」(12/1放送)
☆☆★
 秀吉(香川照之)、逝きそうで逝かない隙に回想いっぱいの回。その回想シーンを改めて見るにつけ、おいしいところは全部まつ(松嶋菜々子)に持っていかれてる利家(唐沢寿明)の哀れを再認識する。
 驚きは、佐々家の面々の長生きぶり!ふく(池内淳子)と太郎左衛門(丹波哲郎)の憂さは、あの程度の謝罪で晴れたというのか?! ここでまた、秀吉逝ったかな、と思ったら、まだ逝ってないじゃないの!さすがに歴史に名を残す人は、最後もしぶといねぇ。そんな秀吉を演じた香川照之の名演は、この大河中でもとりわけ傑出したものだった。(結)


第46回「父子の名乗り」(11/24放送)
☆☆★
 秀吉(香川照之)の死期が語られることで、ファイナルカウントダウンを意識させる。花見見物の豪華絢爛には目を奪われるも、京極(三浦理恵子)って、誰でしたっけ?最近の『利家とまつ』、こんなのばっかりなんですけど。(結)


第45回「利家 出仕拒否」(11/17放送)
☆☆☆
 鉄人まつ(松嶋菜々子)、初病。

「殿下。その話は戯言にしては、重すぎますな」by利家(唐沢寿明)

唐沢寿明、やっと調子が出てきたな。期待大だった、

「わたくしにおまかせくださりませ」

は流行語大賞から遥か遠くも、今話分は過去最高の威力を発揮。
 上原さくらの役名が読めない!蕭(よもぎ)?秀吉(香川照之)に頭なぜなぜまでされちゃってるこの人、誰でしたっけ?大政所の瓜のぬか漬には、秀吉ならずとも泣けた。(結)


第44回「猿千代誕生」(11/10放送)
☆☆
「あの娘ならば、あなた様も決して触れまい」byまつ(松嶋菜々子)

って、なるほどそういうことだったのか。田畑智子の千代保は、これ以上にないベスト・キャスティングじゃない?!
 忘れたころに、吉乃(森口瑤子)登場。利家(唐沢寿明)へのでこピン攻撃で、彼女がそれなりに偉かったことを知る。そう言えば、『葵』でも森口さんは忘れたころに再登場した記憶が。(結)


第43回「大政所の遺言」(11/3放送)
☆☆
 たえ(八千草薫)が逝き、なか(草笛光子)が逝き、そしてなかの亡骸を見るなり、秀吉(香川照之)までもが歴史を覆して逝ってしまったのかと思いきや(このドラマならありうる?!)、気を失っただけでした。遠目だったにも関らず、病気を疑わずにすぐさまその判断をくだしたおね(酒井法子)の神通力は、ついにまつ(松嶋“魔女の条件”菜々子)並になってきた?!(結)


第42回「利休切腹」(10/27放送)
☆☆
 利休(古谷一行)の切腹よりも、慶次郎(及川光博)の旅立ちの方がメインストーリーになるあたりが、『利家とまつ』の『利家とまつ』たるところか。この調子をもっと出してれば、もっといいドラマになっただろうに(すでに過去形か)。
 永姫(水橋貴己)がここまで登場したのって、今回がはじめてだっけ?! で、今回で最後かな。(結)


第41回「小田原攻め」(10/20放送)
☆☆
「秀吉は今、少し変だ」by利家(唐沢寿明)

ってまんまじゃないの。山上宗二(桜木健一)は2回目の登場で逝く。

「戯言でござります」byまつ(松嶋菜々子)

この人のお言葉は、常に戯言でしょ。
 政宗役は遠藤雅じゃないか!松嶋菜々子=遠藤雅の姉弟コンビに夏木マリが揃えば、『ひまわり』だ。序盤には石堂夏央も出てたし。真田麻垂美はここのところ、テレビでは発見できないけど(そう言えば、先日ロベール・ルパージュの舞台『月の向こう側』(大傑作!)を見にいったら、夏木さんが見に来てらっしゃいました)。
 今話もまた絶妙のタイミングでまつ、神様化!!!秀吉(香川照之)によると、仏らしいが。どっちにしても神がかり。終盤に差し掛かり、とうとうまつはコメディ・リリーフに。(結)


第40回「鬼の淀どの」(10/13放送)
☆☆
 最後の大物?!、孝蔵主役で涼風真世登場。孝蔵主って歴史上の人物は、まったく知りませんけど。酒井法子=おねに対抗するには、瀬戸朝香=茶々ではやや役不足か。(結)


第39回「成政切腹」(10/6放送)
☆☆
 成政(山口祐一郎)の切腹を口実に、大回想大会と化す。今思えば、最初の頃は随分豪華キャストだったなぁ。「なでしこの花」=『やまとなでしこ』つながり(?!)、ってのもありましたね。(結)


第38回「花衣」(9/29放送)
☆☆
 はる、あまりにも普通に再登場。ってそんなバカな。これが史実とも思えないし。感動の殉死は何だったんでしょう。
 それにしても、秀吉=香川照之がうまい。うますぎる。ただ事でないうまさの前に、利家=唐沢寿明が常にかすんでしまう。ドラマとしては、これでいいのかどうか、微妙なところですが。(結)


第37回「真実の男とは」(9/22放送)
☆☆★
 よくキャスト表を眺めてみると、驚くべき事実が。1996年以降のAK制作の朝ドラを羅列してみましょう。

1996 ひまわり 松嶋菜々子→まつ

1997 あぐり 田中美里→市

1998 天うらら 須藤理彩→豪姫

1999 すずらん 遠野凪子

2000 私の青空 田畑智子→千代保

 お〜っ、歴代AK朝ドラヒロインがズラリと揃ってるじゃないかい。そこに『ひまわり』で松嶋菜々子のライバル役だった石堂夏央(→濃姫)や、『私の青空』の次のAK朝ドラ『ちゅらさん』に出ていた佐藤藍子(→麻阿)あたりまで加えると、いっそう朝ドラ色が濃厚に。あれ?遠野凪子は?
 プロデューサーが同じの『あぐり』組なんか、里見浩太朗、松原智恵子、名取裕子、草笛光子、山本晋也、苅谷俊介、関口知宏、池内万作と総出ですからね。
 利久(三浦友和)の安らかな死のシーン中に、幸(椋木美羽)のテロップって、それはドラマとしてやっちゃいけないんじゃないの。(結)


第36回「さらさら越え」(9/15放送)
☆☆
 さらさら越えって、どれぐらい越えたのか思ったら、凄いですよ。

http://www.nhk.or.jp/taiga/topics/tpc013.html

実は全然、さらさらじゃない。殴ったり、怒鳴ったり、謝ったりと、利家(唐沢寿明)は相変わらず大忙しなんだけど、そのわりには、これまた相変わらず印象薄。
 23時の連続ドラマコンビ、瀬戸朝香と佐藤藍子が今話より登場。しおらしい佐藤藍子って、随分久々じゃないですか。実はこういう役のほうがあっているんじゃないかと、以前から思ってはいたのですが。
 それにしても、瀬戸朝香はNHKに愛されてるなぁ。茶々といえば大河でも、三田佳子(『太閤記』)、岸田今日子(『春の坂道」)、藤村志保(黄金の日日)、池上季実子(『おんな太閤記』)、夏目雅子(『徳川家康)、樋口可南子(『独眼竜政宗』)、松たか子(『秀吉』、そして老け茶々ぶりがあまりにも怖かった小川真由美(『葵 徳川三代』)とそうそうたる面々が演じてきたわけだけど、それと比べちゃうと瀬戸朝香ってのはどうなんでしょうね。個人的には、池上季実子の超意地悪茶々が思い出に残ってます。
 今回のとめは草笛光子さんか。(結)


第35回「末森城の決戦」(9/8放送)
☆☆★
 まつが絡まない場面はやっぱりいい。大体、歴史の舵取りまでもまつにやらせようとするのは、いくらなんでも無理があるでしょう。
 末森城救出劇には見せるものがあるも、雪の中をはる(天海祐希)のために仏像背負って、というエピローグでのまつ(松嶋菜々子)の超人ぶりに、毎度の如くグッとさめる。何も出来ない無力さにこそ、感動があると思うんだけど。それにしても、田畑智子はNHKに愛されてるねぇ。(結)


第34回「さよならの黒百合」(9/1放送)
☆☆★
 同じ体育会系でも、すべてにつけて何となくうまくいってしまう利家(唐沢寿明)に対し、成政(山口祐一郎)の不運ぶりといったら。ドラマ的に見ていくと、本当の律儀ものは利家(唐沢寿明)ではなくて、成政(山口祐一郎)の印象。
 実際にも、唐沢寿明&松嶋菜々子コンビよりも、山口祐一郎&天海祐希コンビの方が、ちゃっと役に入ってる気もするし。(結)


第32回「炎上、勝家と市」(8/18放送)
☆☆☆
 勝家(松平健)とお市(田中美里)の炎の最期にはさすがにホロリ。浅井長政とのエピソードをはじめ、イマイチ見せ場の少なかったお市=田中美里も、最後の最期に凛とした美しさを際立たせたかな。
 やはり、まつの出番が少なければ少ないほど、ドラマの充実度は増す法則はここに実証される。だからといって、利家(唐沢寿明)の存在感が際立ってるわけではない。秀吉=香川照之のディテール的怪演と比べると、いまだに利家=唐沢寿明にはとまどいが見え隠れ。(結)


第31回「賤ヶ岳の夫婦」(8/11放送)
☆☆☆
 この大河がこれほどにまともだったのは、随分久しぶりでは。っていうか、もしかして過去最高回?!
 利家のジレンマがじっくりと描かれていたあたりには好感が持てる。結局、まつの出番が少なければ、それなりのクオリティは維持できるってこと?(結)


第30回「男泣き!柴田勝家」(8/4放送)
☆★
 まつ、絵の腕前までもプロ級だった!ただ、ドラマ自体は何をやってるんだか、さっぱりわかりません。話は知ってるはずなんだけどなぁ。(結)


第28回「清須犬猿合戦」(7/21放送)
☆☆
 その混沌はそれなりに面白いんだけど、結局どうなったのか、ようわからんよ。イチイチまつが内々の話し合いに呼ばれちゃったりするから、パワーバランスがデタラメになっちゃってるんですよね。(結)


第27回「夫婦の決心」(7/14放送)
☆★
 感動なき本能寺の変に引き続いての、脚本のあまりなお粗末ぶりに閉口する。竹山さん、どうしちゃったんですか?それとももともとこんな感じの人でしたっけ?(結)


第26回「本能寺の変」(7/7放送)
☆★
 稀にみるほど感動なき本能寺の変。反町のオーバー・アクトにも大いに問題あったけど、一番の原因は陳腐な脚本につきるでしょう。すべてが中途半端。豪華なキャストが泣いている。(結)


第24回「赤い星」(6/16放送)
☆☆
 忍び連れで再登場のつね(名取裕子)にはやっぱり驚いた。この停滞したドラマに喝を入れていただきたいですね。新キャラとしては、山上宗二(櫻木健一)と石田佐吉(原田龍二)が登場!(結)


第23回「豪姫の母」(6/9放送)
☆☆
「まつが怒った」by信長(反町隆史)
って、そんなのトピックにしてて、恥ずかしくないんですかね、このご両人は。この脚本家は何でもありだから、何でもさせちゃうんでしょうけど。お久しぶりの「私にお任せくださいませ」が変形バージョンで登場。
 佐久間信盛(田中健)、見せ場なきままに御役御免。もったいない。(結)


第22回「女将軍」(6/2放送)
☆☆
 「まつの前では張子の獅子」とは言い得て妙。あれれ?いつの間に、まつがナレーションまで担当することに? 何せ、感極まったうめ(赤木春恵)に天下を取らせたい、とまで言わさしめるぐらいですからね。もはや、何でもありか。(結)


第21回「利勝の初陣」(5/26放送)
☆☆
 まつ>利家、の構図がいっそう鮮明に。前田家の権限はすべてまつにある? 信長がまつに手紙出すか?! 史実はどこへ行った。(結)


第20回「幸の婿どの」(5/19放送)
☆☆
 オープニング・ナレーションのツボが少しわかってきた?! やりすぎ1号、織田信長(反町隆史)に引き続き、徳川家康(高嶋政宏)がやりすぎ2号と化す。前田長種(辰巳琢郎)が張りぼての巨石を担ぐ様には爆笑。幸役の椋木美羽って、松嶋菜々子の娘やるほど若かったかね。(結)


第19回「秘密同盟」(5/12放送)
☆☆★
 このドラマが随所に中途半端な印象を与えるのは、それぞれのキャラクターの微妙な力関係があまりにも明確じゃない部分によるところが大きいのでは。いまだにさっぱりわからないので、これまでの同ネタドラマの知識を総動員して見てるわけですけど、それって絶対変でしょ。
 五木ひろしが一言台詞を吐く!好例のまつ(松嶋菜々子)の暴力は(?!)、冒頭の耳引っ張りでした。それにしても、香川照之は巧いねぇ。(結)


第18回「越前府中入城」(5/5放送)
☆☆★
 吉乃(森口瑤子)が2回目の登場。出演3シーン中で、台詞があるのは1シーンのみの省エネぶりは病人役ならではか。

「まつ殿は大きな女になってきたのう」by秀吉(香川照之)

いや、第1回目からまつは大きかったですよ。10歳であのスケール感でしたからね。今回も手練の慶次郎(及川光博)を一言で黙らせ、背中に2発で岩(森下涼子)を改宗さえる大活躍。かなり笑えます。そういう見方が正しいのかどうかは疑問ですけど。(結)


第17回「利家、大名出世」(4/28放送)
☆☆☆
 場所と石高についてのサスペンスのおかげで、毎度拡散気味の話を何とかコンパクトに維持できていたのでは。ただ、よく目を凝らしてみてみると、四隅が微妙にほの暗かったりもするんですけどね。
 不破光治役で五木ひろし登場。台詞は少なくとも、クレジットは超大物待遇です。(結)


第16回「おねの子、豪姫」(4/21放送)
☆☆★
 『北条時宗』の渡辺“ブロンズ像”謙に引き続き、反町“信長”も完全ブロンズ化近し?! これって、NHK的な特殊メイクの定番になってくんでしょうか? 泣かせる話を散りばめて、エピソードの分量は十二分なんだけど、どこかバラバラな印象。(結)


第15回「良之、三方ヶ原に死す」(4/14放送)
☆☆
 良之(竹野内豊)が逝き、今後のドラマの動向が心配になる。ここ数回のこのドラマは、良之でもってたようなものでしたからね。たつ(加賀まりこ)も死に、加賀さんは『私の青空2002』に専念の模様。
 いつの間にか、お市の方(田中美里)は出戻りに。この端おり方は許されるのか(“か”は反語の“か”)。今回からトメは明智“ショーケン”光秀に。このドラマの数少ない新基軸の一つが、光秀の野太いキャラクター。(結)


第14回「比叡山の赤ん坊」(4/7放送)
☆☆★
 ドラマティックを一手に引き受ける良之(竹野内豊)が、今話でもまた唯一の真摯さで大活躍。あとの人たちときたら、万能アドヴァイザーと化しつつあるまつ(松嶋菜々子)を筆頭に、お気楽モード全開で、緊張感は皆無。お市の方(田中美里)と浅井長政(葛山信吾)の悲劇がここまでかすむって、かつてなかったことでは。まぁ、まつが主役だから、仕方がないんだけど。(結)


第13回「まつの城」(3/31放送)
☆☆
「これは手ごわい。まつは強いぞ」by勝家(松平健)

ってどういうこと?!

「前田家はまつ。まつが御大将じゃで」byうめ(赤木春恵)

は泣くとこか、笑うとこか?スコアはマーラーの軟アダージョ風です。カッコいいのは、今回もまた良之(竹野内豊)ばかりかな。(結)


第12回「目指せ!百万石」(3/24放送)
☆☆
 予期せぬまつの言動には毎回驚かされておりますが、今回はいきなり、おしりぺんぺんが飛び出しました。男衆は一休み、って相変わらずのんびりしてるなぁ。
 それにしても、話にクリアーさがない。何だか紗がかかったみたいな展開に、分刻みで困惑する。ちょっとふざけただけの信長ってもの、わかりにくくないですか。数少ない感動は、つね(名取裕子)のデタラメなほどに濃すぎるキャラクターか。意図は見えないけど。(結)


第11回「対決!兄と弟」(3/17放送)
☆☆★
 「年中何か食べていた」から、まつ(松嶋菜々子)はこんなに大きくなったのか!すぐさまの検証で、そのビッグ・サイズが実証されます。利家(唐沢寿明)に対して弓ひくつね(名取裕子)。その前に立ちはだかるまつ(松嶋菜々子)。なるほど。確かに、利家が完全に隠れるぐらいデカい!
 よくわからないのが、陽と陰、明と暗、静と動の切り替え時に発生する奇妙にしてルーズな間。視聴者は、いかにしてその間を過ごすべきなのか?その切り替えについていけません。

「見ていられぬ」

とまでは言いませんけど、何かヘンなんだよなぁ。斜めに見始めると、別口の様々な楽しげを発見できたりもするんだけど、果たして大河がそれでいいんだろうか。(結)


第10回「妻への小袖」(3/10放送)
☆☆★
 ナレーションがナレーションのままにことごとく進行。確かに良之(竹野内豊)は目で激しく訴えてましたけど、だったらそんなナレーションは必要ないんじゃないの。
 電動ノコなんて御茶の子さいさいな『水曜日の情事』のあい=はる(天海祐希)が力仕事、苦手なはずはないでしょ。『WITH LOVE』コンビ、お市の方=“てるてる坊主”(田中美里)と良之=“hataさん”の凛とした佇まいがカッコいい!明智光秀(萩原健一)の『ファイティングガール』以来のファルセット・ヴォイスはどうしたことか。かわいく「えいえいおー」のまつ(松嶋菜々子)は、桜子時代の浪費家からいきなり、小袖に涙する倹約家へ。どうしても、CXドラマのイメージから逃れられない。(結)


第9回「明智病」(3/3放送)
☆☆★
 良之(竹野内豊)と市(田中美里)のツーショットは、パソコンなき『WITHLOVE』の趣。クレジットも前後とくれば、思い出さずにはいられません。ウェディングドレス姿で都庁前を疾走する雨音!単にツーショットの分量では、『氷の世界』(竹野内豊&松嶋菜々子)色の方が濃かったけど(このキャストでこんなこと言い出したら、きりがないですよね。リアル夫婦で柿のキャッチボールなどもありましたし)。萩原健一は最高齢明智光秀を樹立か。
 大河ドラマと東芝日曜劇場にはただならぬ深き関係が? 『サラリーマン金太郎3』で大いにかぶってた甲乙の乙、羽田“真澄orおゆう”美智子が甲乙の甲、森口“冬美or吉乃”瑤子に引き続き、大河にレンタル移籍を果たす。のちのちの関係を匂わせたということは、今は『金太郎』の方が忙しいということを意味する?! かぶく利家に、似て非なるもかぶる吉乃&おゆう。この二人のツーショットは、大河でも実現するのか!
 ドラマの感想?竹山さん、使いまわしてますねぇ。(結)


第8回「猿は天才だぁ!?」(2/24放送)
☆☆☆
 まぁ、大河が荘厳じゃなきゃいけないって決まりはないわけだし、大河にあるまじきはみだしぶりも、それを喜ばしさに転嫁できているのなら、それはそれでいいんじゃないでしょうか。

「猿は天才だぁ!?」

の“!?”は何だろう?、とか

「ペッタンコ!ペッタンコ!」

って、幼稚園児でも言わないぞ、とかいう疑問がわかないではありませんが、少なくとも先週からの勢いは持続しております。
 歴史的事実がここまでに卑小化された様は、過去の大河でお目にかかったことがない。神格化されすぎた戦国物のイメージを、見てる方が捨てきれないせいかもしれませんが、それでも時間軸のおざなりはあまりに酷すぎるか。いつの間に!まつはもう、3人目を産んだのか。

 利家の腰を2回叩くまつ。
「まつの声が聞こえたのです…」by利家(唐沢寿明)

ってまたもやまつはエスパーを使ったみたいです。テレパシーの連打に引き続き、テレポーテーション、テレキネシスも使いそうな勢い。
 もう一夜城は出来たのか(これぞテレキネシス?!)。やはり、時間軸が消滅している。せめて年号ぐらい言ってくれてもいいのでは。(結)


第7回「出世合戦開始!」(2/17放送)
☆☆☆
 史実の分量を思いっきり減らす方策で、ようやくちょっと調子が出てきた感じ。唐突なエピソードの連打挿入に、見ている方も慣れてきたということか。ややギクシャクとしながらも、ドラマが流れ出した模様。
 酒井法子(おね)v.s.はる(天海祐希)にまつ(松嶋菜々子)が調停役、というフォームも完成の域に達したか、ノリはほとんど『たのしい幼稚園』&『ママまっしぐら!』的子育て社宅物昼メロ風。

 「まつは、夫がこれから誰かを切るのだと思った」by阿部渉アナウンサー

やはり、エスパーまつには全てお見通し!自信満々はほとんど桜子(『やまとなでしこ』)状態に。
 精彩を欠く男性陣の中では、佐脇良之(竹野内豊)が懐の深さ、慎み深さを見せ始めました。クレジットでの不遇をドラマで返す?!
 秀吉=日輪の子は、『秀吉』からの連なり。ベテラン脚本家らしい、熟練の使いまわしにある種の感激。

「戦人と奉行人?」

やはり反町は、力みすぎでしょう。(結)


第6回「祝言」(2/10放送)
☆☆★
 お市の方、メインの回にこれまでとはやや違った趣。お市の方演じる田中美里さんの乗馬のお上手なこと。まぁ、馬と一緒にニンジン食べてる人ですから。長刀ははる(天海祐希)の方が上手そう(あくまで雰囲気)。予知能力は見せるも、今回のエスパーまつ(松嶋菜々子)はやや地味め。

 大河ドラマのOPタイトルバック情報をいただきました。

「『武田信玄』では、信玄が馬に乗って、駆けていました。」

 なるほど、 『武田信玄』がありましたか。田向正健脚本による、大河史上最高の悪魔性を誇る傑作中の傑作です(1988年)。昨年、再放送分のビデオがどこかにあるはずなんですけど。(結)


第5回「まつの大ぼら」(2/3放送)
☆☆
 遠いなぁ。ドラマとの距離が何だか遠い。まつは学級委員長かい。どの場も仕切る。しかも、かわいげなし。まぁ、その変化球の驚きを楽しむという斜め見もあるんですけど、大河でそれでいいのか。
 今話最大の見所は濃すぎるつね!初登場シーンから濃すぎです。何という身のこなし!

「雌狐め」

「夫婦のことでも秘術を使うんでしょうね」

だんだんデタラメになっていく。

 まつの演説にいちいち反応する信長。

「吹いたな、まつ」

互いの絶賛ぶりはさすがリアル夫婦。見ているほうが恥ずかしい。それにしても利家の存在感、薄いですねぇ。今のところ、完全なるまつの単独主役の趣。
 「なでしこの花」って、『やまとなでしこ』つながりか?

 足立役に大八木淳史をもってきたのは、なかなかの慧眼。確かに日本で一番大きい人の一人ですからね。

「一年前に大きな握り飯をいただき」

って、もう一年たってるの?時間軸はどうなってるんだ?(結)


第4回「桶狭間の奇跡」(1/27放送)
☆☆
 唐突に昔とった杵柄を披露する、はる(天海祐希)の甲冑姿が素敵。それにしても、まつってなにさま?「勝ちますとも」の断言に何の効力が?!その発言に居合わせた全員が横並び同意するというおざなりを許していいのか。近々の回想をリピートする手法はあまり効果的とはいえない。ところで、みなさん何歳(の役)なんですか?竹山洋作品を見るなら、月曜日15:10から再放送中の『棘』の方が断然いい。
 田中美里は品格的にもお市の方、ピッタリでしょう。新国立劇場の『かもめ』も素晴らしかったですよ。親の弁、菅原文太の心情に現実のつらさがオーバーラップする。合掌。時代が変わると、来週からトメも変わる?! 期待は忍者な名取さん。
 タイトルバック考察。大河のタイトルバックに主人公が出てきたことって、今までにあったでしょうか。しかも夫婦で。『獅子の時代』には主要キャスト皆さんが出てたような。確か『樅の木は残った』が今回と同じパターンだったか。それ以前をご存知の方いらっしゃいましたら、お知らせください。(結)


第3回「出仕停止」(1/20放送)
☆☆
 「照れくさくてたまらないのだ」by佐脇良之(竹野内豊)
って、それはこっちの台詞だ!上滑りよ、止まれ!
 今話最大の見せ場、本当の夫婦ご対面(松嶋“まつ”菜々子&反町“信長”隆史)は意外と早めにおとずれる。ムチ叩きつき。今回の初登場組は、お市の方(田中美里)と吉乃(森口瑤子)、それに井口太郎左衛門(丹波哲郎)。
 第一回目から出てるはずの濃姫(石堂夏央)を初めて確認いたしました。石堂=松嶋といえば、『ひまわり』の弁護士トリオのお二人じゃありませんか。
 それにしても、時間の経過がはっきりしませんねぇ。エピソード間の時間関係がデタラメ。信長に犬が許されてるんだかなんだかも、さっぱりわからないし。
 放たれる白鷺。その吉兆に、
「まつ!!!」by信長
って、何でまつの仕業だってわかったの?リアル夫婦ならではの以心伝心?ここまで緊張感のない桶狭間をこれまでに見たことがない。第4回もある意味見逃せない。(結)


第2回「笄斬り」(1/13放送)
☆☆
 まつ、オールモースト小学生な超低年齢出産。通りで子役を挟まなかったわけね。でも、それを差し引いてもデカすぎるだろ。ほとんど全日本次代のエース(?!)の趣で、それ気にしてたらストーリーにまで気が回らず。今のところ、微妙な違和感に苦しんでおります。つまらなくはないんだけど。(結)


第1回「婚約」(1/6放送)
☆☆★
 『アラビアンナイト』の“開けゴマ”ならぬ、開門でビックリ、必要以上にデカくなってるまつ(松嶋菜々子)が見物の第1回。面白いか面白くないかの判断は、しばらくお預けでよろしいでしょうか。前日放送の『土曜スタジオパーク』は文句なく面白かったんですけど。
 兎にも角にも、まつが誰よりもデカかったということで。でもちょっと待った。まつは12歳で利家と結婚するわけだから、“開けゴマ”後のまつは10歳前後!!! 松嶋菜々子をできるだけ早く出さなきゃいけなかった事情はわかりますけど、やっぱり一人子役を挟むべきだったのでは。
 まつのリアル夫、織田“反町”信長は、ほとんど台詞が聞き取れず。大役に力みすぎか。逆にドラマの夫、前田“唐沢”利家の活舌は絶品。全部、聞き取れました。そのレヴェルで競われても仕様がないんだけど。(結)




Copyright© 2002 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.