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婚外恋愛 (テレビ朝日系木曜21:00〜21:54)
制作/テレビ朝日
チーフプロデューサー/黒田徹也
プロデューサー/内山聖子、大久保なみ
脚本/浅野妙子
演出/久野昌宏(1、2、5、6、10)、六車俊治(3、4、8、9)、常廣丈太(7)
音楽/千住明
主題歌/『True Romance』Lyrico
挿入歌/『IMMORTALITY』Lyrico
出演/湯浅みつる…永作博美、湯浅拓也…堺雅人、広瀬志津香…釈由美子、斉藤亮馬…原田龍二、小野寺孝…宮迫博之、徳井優、池田真紀、北川弘美、佐藤康恵、宮本大誠、佐藤一貴、北川えり、鈴木ヒロミツ、高杉亘、忍成修吾、水島かおり、大高洋夫、中原知南、樋口達也、大森暁美、小野寺ユリ…高橋由美子、広瀬真一郎…根津甚八
ほか

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第10回(3/14放送)
☆★
 何だそりゃの最終回。これじゃ、コントじゃないか。ここまで手間のかかる連中の集いだとわかってたら、最初から付き合わなかったですよ。出発遅らせたり、携帯忘れたり、ヒント出し合ったり、雪山で鬼ごっこしたり、あまりにも無益にお忙しいことです。「好きで好きで仕様がない」んだったら、最初からそうしてろよって感じなんだけど、それ言っちゃうとドラマの企画自体が成り立たないか。あらゆる辻褄あわせのデタラメさが、ある種のおかしみを生み出してはいるんですけど。
 広瀬(根津甚八)の困惑顔は、視聴者の気持ちの代弁でしょう。いつ爆発するかと気が気じゃなかった志津香(釈由美子)は、結局最後まで不発。その真逆の心境演技披露に、時折ビックリさせられたりもして。夜中、子供にコンビニまで弁当を買いに行かせる母親(高橋由美子)にも幸を与えますか。今クールのドラマ中でも最も共感に遠いキャラ。

「そういうのが腹立つんだよ」byテツシ改め拓也(役作りで省エネした堺雅人)

って、それはこっちの台詞だ!この枠とTBSの水10は、怖くて直視できない。(結)


第9回(3/7放送)
☆☆
 手を変え品を変え、各種トリックを駆使していろいろと複雑そうにこねまわしてはいるものの、一向に物語が多層的になっていかない。これぞまさに、払拭し難いテレ朝非ディテクティヴ路線の深淵なる性なのか。一言で言えば、良くも悪くもB級ってことなんだけど。
 大体、あの歳で妊娠検査薬を人に見てもらうか。中途半端に嘘と不誠実に塗り固められたユリ(高橋由美子)のキャラクター設定は、最後までそのブレを修正できなかったか。そのことは、他のキャラにも同様に言えることなんだけど。もっともらしいナレーションも、よく聞いてると何を言っているのかさっぱりわからない。そんなデタラメに時折、ほんの時折頬が緩む。
 佐藤康恵、チョイ役?釈由美子との『生き殺』悪コンビの復活かと思ったのに。まぁ、あのときもほぼチョイ役でしたが。(結)


第8回(2/28放送)
☆★
「フリーの編集が大変なの、湯浅さん(永作博美)が一番わかってるじゃないですか。」by若山梢(池田真紀)
で先制パンチ?!
 確信犯的に人を笑かそうとしているドラマだとばっかり思ってたんですけど、だんだん単なるみじめったらしい人たちの、間の悪い瞬間集みたいなものであることがわかってきました。
 みつる(永作博美)と拓也(堺雅人)の仲裁に来たはずの孝(宮迫博之)とユリ(高橋由美子)がいきなり喧嘩をはじめる、ミイラ取りがミイラになる変形のようなエピソードには笑ったけど。(結)


第7回(2/21放送)
☆☆
 振り出しに立ち戻って考えてみると、単なる妙チクリンな夫婦の話なんだけど、また随分なところまで来ちゃいましたよね。人物の出し入れの構造は、ますます『嫉妬の香り』的に。堺雅人が先に痺れを切らすところまでまったく一緒。その計ったような間の悪さにも共通点が。だったら、

「チラシ寿司作ってきたんです。一緒に食べません」by志津香(釈由美子)

ぐらいの瞬発力は常時維持しておいてもらわないと。深夜枠ほどにはハメをはずせないという足かせがあるのか。どことなしか、すべてにおいて中途半端。
 主題歌も挿入歌も、気恥ずかしいほどに一昔前のマライヤ・キャリー風なんだけど、これほんとはセリーヌ・ディオンのカバーなんですよね。(結)


第6回(2/14放送)
☆☆
 ジリジリする展開。もしかして、アブノーマルのボルテージはこれ以上上がらないの?ちょっとした看板に偽りありか、一体何を期待してたんだ?!

「ただ、私の飛ぶところを見てて欲しいの!」by志津香(釈由美子)

それだけじゃ、済みそうにないですけど。(結)


第5回(2/7放送)
☆☆★
 人物関係を力技で澱ませたおかげで、いよいよアブノーマルが本領発揮し始めた模様。とはいっても、話はほとんど香りなき『嫉妬の香り』なんですけど。
 真一郎(根津甚八)の舌はなぜ回ってない? 手術の後遺症か、っていまだに『ほんまもん』を引きずる。“山中2号店”出ましたよ、一路さん!(結)


第4回(1/31放送)
☆☆
 とうとうテツシ改め拓也(堺雅人)が、嫉妬に狂いはじめました。原因は“香り”ではなかったようですが、来週あたりから、いよいよドラマの方も動き出しそう、って遅いよ。
 何なの、あの小鳥のさえずりは。ほとんど『嫉妬の香り』じゃないか。そのたびにニヤニヤする。(結)


第3回(1/24放送)
☆☆
 ベネックスの最新作にして失望作、『青い夢の女』が冒頭を飾る。

「初めてのメール…、ドキドキしてます 広瀬志津香」

 この辺の斜めなスリリングはテレ朝ならではのドキドキ。堺雅人は益々『嫉妬の香り』とほとんど同じ。
 ドラマはあまりに淡々。爆発しそうでしない志津香(釈由美子)のみが、“青い夢の女”となる。それにしても、『婚外恋愛』って、言いにくくないですか。(結)


第2回(1/17放送)
☆☆
 『嫉妬の香り』がLVMHの全面バックアップを受けていたのに引き続き、このドラマもまたプジョーの商標をかかげております。原田龍二まで出てきて、ますますテレ朝ナイトドラマの様相を呈してまいりましたが、設定の倒錯ほどにはまだ何も起こっていません。
 永作博美を見ていると、今にも記憶を失ってしまうのではと真剣心配する。『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』とキャラがかぶってるでしょ。まさか、そんなことはないでしょうけど。今回も裸を見せまくる堺雅人を見ていると、『嫉妬の香り』に狂い出だしちゃうんじゃないかと心配になる。最後まであきらめなかった池田真紀も出てるし、『嫉妬の香り2』かと見間違う瞬間もちらほら。釈由美子を見ていると、『生き殺』並みの破天荒もありうると期待が高まる。今にも爆発しそうな危うさを今話でも持続。卒業アルバムのロングヘアーコスプレ志津香からして、すでに怖いもん。根津甚八を見ていると、天才料理人(『ほんまもん』)なんじゃないかと思えてくる。ここでは別の天才のようですが。大森暁美を見たのは、今週何回目だろう。
 このドラマのオフィシャルHPに何と、『野薔薇と少年』が公開されてるじゃないですか。怖いです。(結)


第1回(1/10放送)
☆☆
 主役を除いて、テレ朝の深夜ドラマキャストが集結。これはレビューしやすいドラマ(?!)になりそうな予感がしますが、第1回目はあまりにも静かな出足。その静かさが、逆にあやしいんだけど。今にも爆発しそうな釈由美子に思わず目がいってしまいます。その強力な時限爆弾がどう生かされていくのか、少なくともその点には期待したいですねぇ。(結)




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