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海図のない旅 (NHK総合月曜21:15〜21:58)
月曜ドラマシリーズ
制作・著作/NHK名古屋
制作統括/大加章雅
作/龍居由佳里
演出/岡田健(1、4、5)、田中健二(2、3)
音楽/城之内ミサ
出演/浅見修治…竹中直人、浅見美紀…南果歩、浅見麻樹…後藤理沙、浅見了…小谷幸弘、田島洋平…柏原収史、浅見和雄…大沢樹生、田島幸造…鶴田忍、桂木利幸…大森うたえもん、浅見和枝…鷲尾真知子、浅見一郎…笑福亭松之助、浅見雄一…柄本明
ほか

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第5回「新しい家族」(2/4放送)
☆☆☆
 能登の海が美しすぎて。兄弟で船を海に漕ぎ出す小さなスペクタクル、そして船上での語らいがやはりいい味。
 妻と娘の乗ったバスを追いかける父の息子。あのバスって、一日何本かしか走ってないですよねぇ。車窓の風景に、これまでのあらゆる苦悩も浄化されるよう。
 いきなり財産分与とは、ちょっとやりすぎのようなきもしたけど、家族4人で床に座っての決意式や希望に満ちたプロローグには、やはり龍居さんのよさが存分に出ていたと思います。
 龍居さんの脚本の朝ドラが、無性に見たくなってきた。できることなら、今すぐ変わっていただきたい気もするんですけど。

訂正
 先週、「いとこ同士の結婚に疑問がないのは不自然だけど」と書きましたが、あの二人はいとこではありませんでした。ご結婚、おめでとう。(結)


第4回「父と子の絆」(1/28放送)
☆☆☆★
 NHK的デジャヴを逸脱しない範疇で、非常に充実したドラマになっております。それぞれがそれぞれに、のっぴきならないつらさかな。そんなつらすぎる状況を煽らない演出の節度に感謝。このタッチじゃなきゃ、身にしみて伝わってこない。雄一(柄本明)は船取られてママチャリで“逃亡”、NHKつながり。
 そんなつらすぎる状況下で、麻樹(後藤理沙)が思いっきりガス抜き的存在に(存在以上にすべての活舌からガスが抜けてる)。いとこ同士の結婚に疑問がないのは不自然だけど。
 抵当に入った船に乗って、父子で海に出るシーンがいい。修治(竹中直人)と了(小谷幸弘)の台詞なき台詞に脚本の妙を読む。竹中直人で船といえば『菜の花の沖』なんだけど、今回は真逆のゲロゲロでした。城之内ミサの音楽もドラマの気分にピッタリ。冒頭の復習に2色のテロップ使うのはどうかな。(結)


第3回「兄弟船」(1/21放送)
☆☆☆
 副題(「兄弟船」)を見て、演歌節のドラマとは思うなかれ。「兄弟船」とは兄と弟それぞれの悔恨の念のこと。善意のプロットはいかにも龍居さんの脚本らしいけれども、そこからもう一歩踏み出した内容になりつつもあります。息子に拒絶された修治(竹中直人)に赤い傘を手にした麻樹(後藤理沙)が雨の中、呼びかけるシーンの抒情を見れただけでも、今話を見逃さなくて良かったと思える。
「こんなんが嫁やったら」by和枝(鷲尾真知子)
扱いの後藤理沙。確かに、彼女は演技さえできれば、相当なものだと思うんですけど。鷲尾真知子は『本家のヨメ』に引き続き、再びここでも将来の嫁いびり。そういえば、後藤理沙も『本家のヨメ』に出てました。了役の小谷幸弘は、『キッズウォー3』でもいじめられてました。そのあたりの範疇が得意とみえる。(結)


第2回「漁師になりたい」(1/14放送)
☆☆★
 痴呆、いじめ、妊娠した娘、漁師になるという息子、漁師の現状、そして家族崩壊。いつか見たよな断片の連なりにデジャヴする。作りは丁寧、いい役者が妙演を見せるという当たり前をしばし堪能する。(結)


第1回「追いかけて能登へ」(1/7放送)
☆☆★
 『五瓣の椿』の竹中直人、『聖徳太子』の柄本明、『ほんまもん』の笑福亭松之助と最近のNHKドラマで脇役をやったばかりの3人衆が連投で集結。キャラクター全員が苦々しい表情で通すあたりは、久々にNHKのドラマらしいテイストです。とりあえずは、第2回目以降次第でしょう。(結)




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