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母の告白 (フジテレビ系月〜金曜13:30〜14:00)
制作/東海テレビ放送、泉放送制作
企画/出原弘之
プロデューサー/奥村正彦、平野一夫、島崎敏樹、小松貴生
原作/高橋昌男『饗宴』より
脚本/渡辺善則、高田純
演出/奥村正彦、金子与志一、小池唯一、島崎敏樹、吉田邦彦
音楽/岩本正樹
主題歌/『この手のひら』古内東子
出演/高辻藍…高橋ひとみ、高辻司郎…国広富之、高辻春菜…三村恭代、高辻しげ…北村昌子、松川敏江…銀粉蝶、高辻佐代子…山下容莉枝、門倉宣弘…土屋良太、高辻郁夫…金井勇太、石森百合枝…木村理恵、江島教授…内山森彦、財前本部長…森下哲夫、江幡課長…河野洋一郎、武田翠葉…志賀圭二郎、宮野下警部補…うえだ峻、滝医師…近江谷太朗、小松総務部長…飯島大介、稲垣亜佐美…清水めぐみ、勝俣重文…小野了、若槻副部長…渋谷哲平、杉山秋代…舟木幸、小町…渡辺航、野島課長…山下賢治、宮本…佐藤裕、辰巳薫…山下ともち、みみずくのママ…宮崎彩子、望月義冬…不破万作、石森祐輔…中原丈雄、杉本真弓…秋本奈緒美
ほか

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第12週(3/25〜3/29放送)
☆☆☆
 ここまで複雑に、ここまでクリアに結び目を作るとは!分かれて初めて深まる家族の絆か。佐代子(山下容莉枝)、改心。しげ(北村昌子)による痴呆の変容。ハワイ・テイストな敏江(銀粉蝶)。それにしてもいろいろありましたね。でも、あのパーティは濃すぎるだろう。
 「自由気まま」な突き抜け方が半端じゃない。ハッピーまでもがどこかほの暗い、このヤケクソ感。国広富之の顔が、ろうそく一本に浮かび上がる。秋本奈緒美が『王将』を熱唱、高橋ひとみの朗読による「約束はみんな壊れたね」と、最後までみどころ満載。
 何だ、その『ダウン・バイ・ロー』な三字路は。ややのデタラメも、破れかぶれに奇妙なまでの説得力。久々にこの枠に魅了されました。(結)


第11週(3/18〜3/22放送)
☆☆☆
 佐代子(山下容莉枝)逮捕で、すべてのドロドロは出し尽くされたかと思ったら、次なる嵐はしげ(北村昌子、怪演!)の老人性痴呆症だったか。これだけ次々と事件が起これば、ショックのあまり、という流れもスムーズ。ドロドロの厚みの分だけ説得力があるという、驚くべきほどに有機的な構成です。
 そのハカイダーぶりには終止符を打つも、塀の中でも佐代子(山下容莉枝)のダークサイダーぶりは衰えず。母としての優しさをチラチラとは垣間見せるも、概ねやはりすさまじ。血は争えず、司郎(国広富之)もいよいよ闇の世界へ。まともな人間は今や、最初もっともまともじゃなかった敏江(銀粉蝶)ぐらいか。
 このドラマの凄いところは、そんなドロドロを単なる極端には進めず、葛藤劇として丁寧に描いているところ。面白い帯ドラが少ない中、グッとのめりこんだ状態のままに最終週に突入できるなんて、まったくうれしいことです。(結)


第10週(3/11〜3/15放送)
☆☆☆★
 大変なことになってまいりました。週はじめ2分で早々に着火すると、その炎の勢いはとどまるところを知らず。真っ赤な炎と青白い炎とが交互にひたすら燃え上がる様に、思わず身震いしてしまう。こちらの予想をドラマが軽々と乗り越えていく心地よさは、病みつきになります。
 流れるよな台詞の美しくさはどうしたことか!藍(高橋ひとみ)と石森(中原丈雄)が結ばれてしまう丹沢の風景が、また酔うほどに美しい。そんな美しさを一瞬にして消し去るおぞましき佐代子(山下容莉枝)の凄まじき邪悪な躍動!殴られるは、蹴られるはの末には、血だらけですよ。
 せっかく更生した春菜を襲う底なし沼の嘆き。目にした3連続ショックに、見ている側もハラハラドキドキ。その果ての新たなる屈折が、何とも痛ましい。生煮え気味発言はもはや撤回。春菜役の三村恭代が、大熱演を見せてくれています。
 週末回の作り方も並じゃない。母と娘、そして途中から加わる父(国広富之)の家族3人が無言で巻物料理?(あれは何ですか?ブリトー?春巻?)を作るシーン、1分30秒の緊迫感といったらもう。こんなの、見たことないぞ。ソープオペラはこうでなくっちゃ。『女優・杏子』以来の強力作品に完全はまってます。(結)


第9週(3/4〜3/8放送)
☆☆☆
 慎ましくも生々しいそれぞれの転機に歓喜せずにはいられない。春菜(三村恭代)が藍(高橋ひとみ)にぶつける女の業についてのダイレクト・クエスチョンの生々しさと、燃え盛る焼却炉を前にした春菜の医者宣言の慎ましさとのバランス感覚は、このドラマの真骨頂でしょう。
 門倉(土屋良太)が佐代子(山下容莉枝)を殴るのも、思いっきりグーパンチですよ。激しすぎる血の噴出し方に、大いなるサービス精神の旺盛がみなぎる。何かをやってくれそうな期待感が、そこら中に満ち満ちているのです。
 ノンストップに追い討ちをかける猛烈佐代子をも撃退した、郁夫(金井勇太)の癖になっちゃう女装攻め!コタツの周りでストップモーションだなんて、こんなの初めて見ましたよ。さらには負けじとホモセクシャル祓いに祈祷師まで家に呼んじゃうんですから。ドラマのエスカレートも、ここまでやってくれればもう降参するしかない。
 国広富之と秋本奈緒美の不倫カップルが、エスカレートの蚊帳の外でカッコいい。(結)


第8週(2/25〜3/1放送)
☆☆☆★
 おさまらない激震に次ぐ激震にただただビックリするのみ。壊れゆく春菜(三村恭代)には痛々しさを越えて、段々怖くなってくる。ここまでの狂気がテレビドラマに登場したのは久々か。誠実、悪意、裏工作、欺き、不倫、裏切り、嫉妬、エロス、そして銀紛蝶の金髪。昼メロで考え得る限りにおいてのすべてが、ここには詰め込まれています。
 不破万作はいつから呉服屋と契約したの?! “死神”(『ほんまもん』)に引き続き、ここでもまた着物姿で貫禄十二分にフィクサー役をいかがわしく怪演中。裏(MBSの『いのちの現場から7』)からいい女ぶりのままに異動してきた秋本奈緒美も、しびれるほどにらしい。ますます“悪の大魔王”と化す山下容莉枝も含めて、キャスティングの妙に感謝感激。
 キャラ変えした門倉(土屋良太)も今後深く絡んでくるとすると、エピソードの引出しには事欠かなさそう。くすぶる余震がいつまた何時、激震と化すのか。ドラマのさらなる壊れっぷりに大いに期待しつつ、もしかしたらここがピークかもとも思い、★一つおまけということで。(結)


第7週(2/18〜2/22放送)
☆☆☆
 衝撃の告白に次ぐ告白で、タイトルに偽りなしの激震が走る。とりわけ、郁夫(金井勇太)のカミングアウトにはびっくり。そこまでやるかを平気でやってしまうあたりは、この枠の節操を越えたスペシャルさです。
 告白&ののしり合戦から一転、春菜(三村恭代)の家出にかこつけて、ドラマは唐突なまでにプチ・ディテクティヴ&ストリート・バイオレンスに突入。来週への引っ張りも、CGなしで『ロング・ラブレター』に負けてません。生煮え気味だった三村恭代も、だいぶよくなってきた。(結)


第6週(2/11〜2/15放送)
☆☆☆
 スパイ大作戦ばりの大活躍で、春菜(三村恭代)が真実を知るというプロットは、ちょっとやりすぎのような気がしましたが、間断なくドラマをじわじわと盛り上げていく手腕は大したもの。新エピソードのはめ込みもスムーズに決まってきて、今後の展開にいっそうの期待感があります。それにしても、佐代子(山下容莉枝)の性悪ぶりは、キリキリするぐらいに凄い!やっぱり、こういうキャラがいてこその昼ドラですよね。(結)


第5週(2/4〜2/8放送)
☆☆★
 ドロドロ話のしみじみタッチが極まってきた感じ。これまでのドラマのまとまりを、真弓(秋本奈緒美)登場後も維持できるかどうか、気がかりな部分も。
 目をひくのは佐代子(山下容莉枝)の嫌な人ぶり!性根が悪い人をやらせたら、今、山下容莉枝に勝る役者はいない。(結)


第4週(1/28〜2/1放送)
☆☆☆
 小さな疑惑、糸のほつれの集積が、うまい具合に絡んできています。プロットの多重性がしっかり整理されていて、地味な話ながら非常に充実した運びになっています。
 国広富之&高橋ひとみの“ふぞろい”コンビは、やはり期待を裏切らなかった。ロケの効果が抜群で、とりわけ百合枝(木村理恵、名演!)の散骨シーンに漂う寂寥にしみいる。演出の細やかでしっとりとしたタッチ感が実に素晴らしい。(結)


第3週(1/21〜1/25放送)
☆☆★
 地道なエピソードの積み重ねが、いかにもこの枠らしい。第1週、第2週が第3週でうまくまとまった感じ。疑惑の暴き方が、今後の分岐点になりそう。(結)


第2週(1/14〜1/18放送)
☆☆
 そうでもなく、ああでもなく、こうきましたか(って、それじゃ意味がわからないでしょうけど)。それが最善の道とは思えないけど。お昼のドラマでお昼のドラマを見るシーンって、意外に少ないかも。(結)


第1週(1/7〜1/11放送)
☆☆★
 国広富之&高橋ひとみ、黄金コンビの復活!!!『ふぞろい』な2ショットだなんて、それだけでも泣けてきます。一週間、“AID 非配偶者間人工授精”についてみっちり勉強。長丁場を乗り切るだけのボリュームかどうかは、2週目以降にかかってくるでしょう。(結)




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