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嫉妬の香り (テレビ朝日系金曜23:15〜0:10)
制作/テレビ朝日、MMJ
企画/辻仁成、LVMH
チーフプロデューサー/梅澤道彦
プロデューサー/横地郁英、遠田孝一
原作/『嫉妬の香り』辻仁成
脚本/吉田玲子(1、2、5、6、7、10、11)、後藤法子(3、4、8、9、11)
監督/佐藤嗣麻子(1、2、5、7、10、11、塚本連平(3、4、6、8)、日比野朗(9)
主題歌/『SLOW』ECHOES OF YOUTH
挿入歌/『二人でゆっくり〜Tous deux tout doux〜』Clementine with Jinsei Tsuji
出演/高村ミノリ…本上まなみ、政野早希…川原亜矢子、中原テツシ…堺雅人、浅井誠…オダギリジョー、梶久志…桑野信義、森村優香…池田真紀、安藤千尋…みれいゆ、梶悦子…浜丘麻矢、沢口啓介…村上幸平、志賀ナオ…中村江里子、高村昭…寺田農、萩原智恵子…原沙知絵、谷崎直樹…伊藤英明、政野英二…寺脇康文
ほか

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第11回(12/21放送)
☆☆
 今クール最大の破天荒ドラマの最終回にしては、スパーク弱し。いつもよりエコーは効かせてありましたけど、やはり『生き殺(『生きるための情熱としての殺人』)』越えは難しかったか。
 鼻は効いても、天気予報で東京の天気もやってることは知らなかった登場人物の皆さんに割ってはいるは、またまた登場の寺田農さん(今クール、何本目?)。仕事の多さも納得の瞬間出演も存在感示す。
 最後までドラマの破天荒を体現し続けたのは誠(オダギリジョー)でしょうね。どう考えても死んでるシチュエーションに、記憶喪失で生き延びるとは。最後まであきらめない優香(池田真紀)も地味に双璧。智恵子(原沙知絵)は何しに消えて、何しに戻ってきたの?! このあたりのディテールのデタラメばかりが楽しくて、本筋を忘れてしまいそう。(結)


第10回(12/14放送)
☆☆★
 「今日、ミノリが悪女に…ついに逆襲」篇
形勢逆転につぐ逆転にある種の手に汗握る。ミノリ(本上まなみ)の悪女ぶりに、早希(川原亜矢子)は防戦一方かと思いきや、すかさず切り返さす歯切れのよさ。鼻の効き具合だけは、相も変わらず互いに鋭敏です。
 「志賀ナオ(中村江里子)はミノリを救う?」篇
(  )付きで登場した中村江里子は、殴って抱きしめる役でした。誠(オダギリジョー)の耳には、早紀の声が木霊して聞こえてる。でもそんな彼より、彼の言動に驚く早希の顔の方がインパクトあり。追っかけの迫力に、『蒲田行進曲』をしのぐ階段落ちぶり。最終回、どのぐらいはじけてくれるのか、期待しましょう。(結)


第9回(12/7放送)
☆☆
 2秒先の台詞が全部読めちゃう、意外性なき意外性にも次第に慣れてくる。「チャオ」の智恵子(原沙知絵)は、意外にいいキャラじゃん。原沙知絵はてっきり、辻仁成物の悪役専門だと思ってたのになぁ。ちょっと拍子抜け。
 唐突に意外なカップルでてきたりして、急に丸くなりはじめたのは最終回の兆し?!(結)


第8回(11/30放送)
☆☆☆
 まったく別次元の闘いに、孤独な歩みを始めたこの作品。その壊れぶりは、もはや『料理少年Kタロー』以上か?! 今回は過去最高の暴走ぶり!テクニック総動員の大爆発に思わずニコニコする。
 ジャンプカットにサイレント・ムービー風字幕。ミノリ(本上まなみ)の二度にわたる全力疾走の常軌を逸したダイナミズムよ。エレベーターのドアに激突して唇を切るなんて奇想な発想、素敵すぎます。階段落ちは、さすがにカット変わってましたけど。全香り感知時には、『奥様は魔女』風音楽付き!
 早希(川原亜矢子)の瞳はさらに燃え、唇は演技的極限まで震えている。そりゃミノリも、「何それ!」って言いたくもなるよな。名実ともに指令塔に就任した“Hi!”の智恵子(原沙知絵)は、意外に行動はまともにおさまってるんだけど(他がおかしすぎるだけ?!)、左眼はなぜだか充血していました。
 タウンページ引きの早引きでは、唐突なスポコンのりに。ミノリ、デカビタを飲む。臨時ニュースで飛んでいいのか、3分間。最低でも、ビデオ止めてくださいよ(『ウソコイ』よりはマシだったけど)。『眠れる森』に続き、ドラマで首を絞められる本上さん。ミノリと英二(寺脇康文)の手のひら合わせては『また逢う日まで』か、古風だね。
 その壊れっぶりでは他を大きく引き離す誠役のオダギリジョーは、『生き殺(生きるための情熱としての殺人)』の階堂佑介=鈴木一真にどこまで迫れるか!! 金曜は『五瓣の椿』とダブルで堺雅人の日?! 恒例と化した冒頭テロップ、「妊娠…テツシの思い出の街、運命の夜 誠がミノリにお仕置きを…」で完全ネタ晴らしも、なるほどへっちゃらなわけだ。すべてに掟破りな展開が“ジェットコースタードラマ”なる死語を思い出させる。(結)


第7回(11/23放送)
☆☆★
 もはや、ノンストップ嗅覚合戦の様相を呈してまいりました。鼻の利く人がここまで揃っちゃうと、こんなにも濃いコミュニティが形成されるんでしょうか。
「この夜から、すベてが壊れはじめてしまったのです」(byミノリ 本上まなみ)
とはまたご冗談を。もう、とっくの昔に壊れてるでしょ。湯豆腐に「アツっ」、言ってるし。
 偶然の女王、智恵子(原沙知絵)の意地悪スマイルが堂に入ってきております。主題歌には、フランス語バージョンもあったのか、辻仁成!
「キスをしたらもう最後」って、最後だったのはテツシ(堺雅人)の方かい。“今夜、テツシが地獄に堕ちる・・誠の最終兵器・・ジャコウの香り”の冒頭テロップに嘘偽りがなさすぎて怖い!シートベルトへの嫉妬はまだ序の口だったか。譜面書くのに、煙まで出すとは。
「ついにはじまってしまったのね」
と言い放つ早希(川原亜矢子)の瞳が燃えているぞ。
 誠(オダギリジョー)も小鳥のさえずりは聞くは、窓を開けたら木の葉吹き荒ぶはで、サブなのに大忙し。数日前のオダギリジョーは“37番の男”として、清々しくトライアスロンやってたのに(『夏の王様』)、この変わり様たるや。
 などなど。みどころが多すぎて、書き切れません。(結)


第6回(11/16放送)
☆☆★
 “愛と逆襲のマッサージ・・今夜、ミノリと英二が×××”、って冒頭テロップから完全にふざけてる。
「何やってるんだ」(byテツシ)
って、それはこっちの台詞だ!なぜ、全員の瞳が潤んでるの?! 同じ曲をこれでもかってぐらいに駄目押し的に繰り返し使う、手抜き or 安手スレスレの手法も楽しすぎる。
 この嫉妬な人々の輪に何と、新たに更なる極端な人が参戦!辻仁成物では悪役専門の原沙知絵(『愛をください』での意地悪キャラはこの愚ドラマの救いだった)が、『お水の花道』のときよりもハデな出で立ちで登場! 最大の見せ場は何と言っても、驚愕の箱根合宿、カメラぐるぐる円卓ミーティングでしょう。

「そういう話は香りと同じで控えめにするものですよ」(by英二)
「ゴメンなさい。私の香水、ちょっときつかったかしら」(by智恵子)

さらに、
「ミノリさん。私、テツシさんを好きになりそう」(by智恵子)
(咳き込むテツシ)

 さすがは辻仁成専属の悪女キャラ、言うことが唐突かつ極端!もちろん忘れてはいけません。同部屋対決(?!)、物言いがつきそうな、早希とミノリの絡み合いながらベッドに落ちるあびせ倒し合戦!
 この圧巻のトリプルタワー、川原亜矢子(176センチ)、原沙知絵(173センチ)、本上まなみ(168センチ)は完全に、『非婚家族』のトリプルタワー、鈴木京香(166センチ)、米倉涼子(168センチ)、黒谷友香(170センチ)を越えた!(ただし、『非婚家族』の相手役は真田広之。ちなみに過去最高記録は、川原亜矢子(176センチ)、大林素子(182センチ)、佐藤江梨子(173センチ)のスーパートリプルを揃えた『マッチポイント!〜女が勝負をかける時〜』。)
 もはや収拾不能に陥ったデタラメな嫉妬乱舞に抱腹絶倒をお約束します。辻仁成って、コメディがうまいねぇ!(結)


第5回(11/9放送)
☆☆
 アララララ……、の展開。コンスタントに散りばめられている笑いのおかげで退屈はしないけど、偶然の不自然が連打されていく様には少々食傷気味。川原亜矢子、本上まなみの制服コスプレ再び!こういうおかしみにはこのドラマ、事欠きません。(結)


第4回(11/2放送)
☆☆★
 左を見たら…、右見たら…、的なデタラメ行動心理学から、河原這いつくばって、未来への復讐作戦会議まで、とにかくすべてが普通じゃない。「生殺しよりまし」なんて、物騒な台詞も飛び出すし。抱き合う誠(オダギリジョー)と早希(川原亜矢子)を照らすヘッドライトって、偶然にも程があるぞ、などと愚痴りながら、大いに楽しむ。(結)


第3回(10/26放送)
☆☆★
 「ダメだよ、ダメダメ」って、携帯の着信履歴を見るのに脂汗をかく主人公におかしみがにじむ。これでもかという絶妙のタイミングでほぼ全員のキャラクターが同時進行的に嫉妬に苦しむ、その不自然さがよくもまぁ、って感じでチャーミング。
 今回もまた、早希(川原亜矢子)の唇が震えているじゃないですか。楽しめるドラマが少ない今クール中、最高に笑える作品は実はこれだったか。やりすぎる堺“脱ぎまくり”雅人にも注目!音楽演出もキテるよ。焼肉屋で辻仁成に、毎回のクイズって、そんなバカな。(結)


第2回(10/19放送)
☆☆
 ベタに楽しい嫉妬の集い。何という不自然という偶然のおかしみかい。毎度毎度、早希(川原亜矢子)の唇が震えている。イチイチニタニタしながら見てしまうのは、不謹慎でしょうか。未来への復習なぞという、わけのわからん悪事を企て、更にはドラマなのに視聴者プレゼントクイズをやってしまうこのドラマに比べればまだ誠実か?! さすがは LVMHの全面バックアップ。(結)


第1回(10/12放送)
☆☆★
 地方によっては放送時間、15:00〜なんてところもありますよ。
http://www.tv-asahi.co.jp/shitto/onairtime/index.html
いいんでしょうか。こんなドラマを半ドン中学生が継続見可能な昼なんかに流しちゃって。
 いや、川原亜矢子に女子高生を演じさせてしまう悪ノリぶりは(『恋人はスナイパー』の八千草薫も真っ青のスーパーソフトフォーカス!、しかも微妙にズラしてのリピート!)、遊井亮子にコスプレさせ続けた『レッド』並みの昼メロな香りだけに、むしろ昼放送するのは正しいのかも(少なくとも『レッド』の倍以上、確実に笑えます)。
 仏・英・日本語駆使の川原亜矢子、絶好調過ぎ?! 本上“あのぼさっとした人”まなみも、ホントにぼさっとしていて楽しい。台詞の気恥ずかしさも裏読みしながら楽しめる、テレ朝ドラマの真骨頂か?!(結)




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