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至上の恋 (NHK総合2001.10.27)
土曜特集ドラマ:平成13年度文化庁芸術祭参加作品
制作・著作/NHK
共同制作/NHKエンタープライズ21
制作統括/大加章雅、土屋秀夫
作/田中晶子
演出/西谷真一
音楽/田村洋
出演/師岡建夫…豊川悦司、イ・ミョンファ…ユンソナ、水口富美子…南果歩、新名日菜子…中江有里、田代淳也…北原雅樹、菊池…樋口浩二、佐藤明美…小島可奈子、キム・ホンミ…洪仁順、チョン・ヨンス…チャン・インファン、事務員…松本麻希、水口由梨…有安杏果、お婆さん…佐々木すみ江、刑事…岸部一徳、師岡雪江…江波杏子、財部善策…橋爪功
ほか



☆☆★
 オープニングで師岡(豊川悦司)とミョンファ(ユンソナ)がすれ違う瞬間のストップモーションから、ディテールへのこだわりを感じさせる良心作。ただ、全体に唐突な印象も残る。「君に見えて俺に見えなかったもの」(by 諸岡)は、こっちにもイマイチ見えてこなかった。痛切が伝わってこないもどかしさ。
 師岡とミョンファの関係をもう少し描かないと、後半のたたみかけが単なる定型の羅列に終わってしまう。この不満は放送時間のせいでもある。最近のNHK単発ドラマの新基軸である70分という尺には、どうしても納得がいかない。NHKドラマの伝統美は、75分or90分だったはずなのに。このドラマがあと5分長ければ、印象が変わっていたかも。その5分こそが重要なんです。
 ユンソナは古巣(?)のNHKドラマで、あまりにも無防備すぎるヒロインにギリギリのリアリティをあたえて好演。はまり役のトヨエツ、携帯はやっぱりau by KDDIでした。母親(江波杏子)が息子の髪を切るシーンが特に印象的。江波杏子の貫禄がすごい。
 日本(本編)と韓国(プロローグ&エピローグ)で画質を変えた意図はよくわからないけれど、その効果は実に鮮やか。細部まで地味に豪華な贅沢キャスティングはいかにもNHK的。(結)




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