レビュー：水曜日の情事

水曜日の情事

（フジテレビ系水曜21：00～21：54）

制作著作/フジテレビ
プロデュース/永山耕三、喜多麗子、平賀公泰
脚本/野沢尚
演出/永山耕三（1、2、5、6、11）、西浦正記（3、4、7、8、10）、成田岳（9）
音楽/Knife
主題歌/『Candy Rain』久保田利伸
挿入歌/『MERMAID』小原明子
出演/佐倉詠一郎…本木雅弘、岡島（佐倉）あい…天海祐希、前園耕作…原田泰造、岡島明洋…谷原章介、浜崎由香子…伊東美咲、岡島（都山）ハコ…金子さやか、田畑ミチル…眞鍋かをり、砂川憲介…水橋研二、平松瑛子…蓼沼千晶、永井佳代子…鶴田倫美、倉木景子…永松恵子、作家…春海四方、溝口美紀子…林真奈美、沖野昌午…北村一輝、小暮志麻子…木村多江、大森年宏…田山涼成、書店主…奥村公延、溝口興三郎…田村亮、天地操…石田ひかりほか

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第11回（12/19放送）
☆☆★
　「また、はじまったよ」by明洋（谷原章介）
　「みてる方が、ドキドキするよね」by詠一郎（本木雅弘）
　「自分の結婚式キワモノにしてどうするの」byママ（木村多江）
台詞にドラマのすべてがあるのは当然ですけど、マンマです。おっと、ママとまで。男の妄想極まれり。
　「今日はあなたにとっては結婚式。私にとっては離婚式」byあい（天海祐希）
　「負けがこんでるもんね」byママ（木村多江）
　「ひとりで奥村チヨ聴いてるんですか」by晶午（北村一輝）
瞬間、『嘘でもいいから』でドラマがミュージカル化。
　公園にバスケット、ってやっぱ男の妄想だわ。こんなのナイナイ。男が白髪になっちゃうってのは、実際あるけど。
　ラストは『ダウン・バイ・ロー』なのかと思いきや、また同じことをくりかえすのか。円環はドラマの基本です。（結）

第10回（12/12放送）
☆☆☆
　大いなる男の妄想。奪われたり、奪い返されたりしてもらえるんだったら、そりゃ、「試してみたい」（by詠一郎）でしょ。“あい”の連呼は時節柄、なかなかにタイムリーですね。操の涙は自由自在。確かに女性は涙全般にめっぽう強いですからね。まぁ、男もやろうと思えばできるだろうけど。よりフォトジェニックは、あいのダイナミックな走りっぷり。それにしても、“あいと操”、ってなかなかすごいネーミングですよね。
　初デートを思い出すために、過去の記憶を手繰りよせ手繰りよせするあたり手厚い心理描写はさすが。目を閉じたあいの手を握るのが、操の手だったら、『氷の世界』になっちゃいますか。愛＝ぬくもり、だってさ。美男美女にのみ許される言葉の応酬。
　涙から笑顔に作戦を切り換えた操は、予告編で見たほどには怖くなかったでしょ。あの時は音もなかっただけに、ほとんど『危険な情事』ノリでしたけど、音がついちゃうと幾分、テイストが薄まる。こういう予告編でのネタバレは、決定的なだけにやってほしくないですね。（結）

第9回（12/5放送）
☆☆☆
　またまた女の闘いがはじまって、2回分盛り返した。あい（天海祐希）の逆襲、ヒミツとウソの湯加減がいい感じ。男はどこで満足するのか、いやどこにも満足できないという反語は定石通り。そのすべてに男の発想が垣間見えるのは、仕方がないか。女はあぁだけど、あぁじゃないんじゃないの、なんて、そんなあぁでもない／こうでもない的な楽しみも散りばめつつ。恋愛小説の件は、野沢さんの本音かな。
　由香子役の伊東美咲は、キャラのイメージとはちょっと違うかな。何だか今、ホール&オーツを総出で流行らせてるみたいですね。作ってる世代がわかるけど。怖～い予告編分で★の1/2、次回にキープ。（結）

第8回（11/28放送）
☆☆☆
　立て直しの回。そしてあっという間に1年が過ぎ……、という省略はいい効果なんだけど、微妙な駆け引き、男女の機微は、定石の域を出ないかな。これもまぁ、再び盛り上がりだしそうな来週への布石ということで。
　天海祐希にチェーンソー、似合いすぎ。
「何か恋愛物のDVD買ってきて」by操（石田ひかり）とは、何ともルーティーンに脱力したなんとも怖い台詞。その操と由香子（伊東美咲）との対決にも見ごたえがありました。（結）

第7回（11/21放送）
☆☆
　テイストの変容。ここのところの野沢尚作品と同様、急激にしみったれる。これまでのおかしみはどこへ。利きまくってた操（石田ひかり）の存在がまったく利かなくなってる。来週の復活に期待したいところですが。（結）

第6回（11/14放送）
☆☆☆
　コワーい修羅場、意外と早めに出ましたね。でも普通、包丁出た時点でひくと思うんだけど。弁護士（『アリー』）、医者（『ハンドク！！！』）、それに編集者は、日常的病人を描くのにピッタリということか。詠一郎の冷静なMぶりは、本木雅弘の妙演あってこそなんだけど。なにしろ、4日前に聖徳太子だった人ですからね。「女は思い出だけで生きていけるのよ」って、それは絶対逆だろ。（結）

第5回（11/7放送）
☆☆☆
　前回よりハラハラ度は落ちるも、おかしみは持続中。ただ関係がばれちゃと、一気にテンションは下がるかも。もしかしたら、今がピークか。（結）

第4回（10/31放送）
☆☆☆
　次から次に引き起こされるギリギリ間一髪の展開にドキドキさせられっぱなし。とりわけ、“クリームシチューに指輪ドボン”には笑いました。他局の『男女七人』を懐かしむあたりの太っ腹にも好感が持てます。（結）

第3回（10/24放送）
☆☆☆
　こんなシチュエーション、絶対にありえない（ほとんどにっかつロマンポルノ!!）と思いつつ、そのやりとりのおかしみに、ついつい引き込まれる。これは台詞の妙というよりも、本木雅弘の妙という気がする。（結）

第2回（10/17放送）
☆☆☆
　キャストは古っぽいけど、最近の野沢尚ではいい方では。使い古されたテーマだけに、この調子でおかしみを上積みしていく方法は、正しい道筋でしょうね。少なくとも、『リミットもしも、わが子が… 』『喪服のランデヴー』『ネット・バイオレンス』『反乱のボヤージュ』あたりよりはよさそう。（結）

第1回（10/10放送）
☆☆★
　天海祐希と石田ひかりは役が逆だろう、などと思いながら見てたけど、段々これでいいのかなという気にもなってくる。密度の濃いドラマの匂いはするけど、最近の野沢尚はハズシまくってるからなぁ（『喪服のランデヴー』『ネット・バイオレンス』『反乱のボヤージュ』、どれも二度と見たくない）。（結）