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少年たち2 (NHK総合19:30〜20:45)
制作・著作/NHK
共同制作/NHKエンタープライズ21
制作統括/加賀田透、土屋秀夫
作/矢島正雄
演出/中村高志(1)、磯智明(2)、岡崎栄(3)
音楽/渡辺俊幸
出演/広川一…上川隆也、津奈美百合子…中本奈奈、平原君子…木野花、加納幸和、北村有起哉、江守満…津田寛治、寺田淳子…若林しほ、浅見れいな、高岡蒼佑、江守恵利…有森也実、中村育二、花村涼子…高泉淳子、小田朋子…麻生佑未、浜畑賢吉、清水豊隆…谷啓、池田萬治…山崎努
ほか



総合評価:☆☆☆


第3回「少年審判」(8/18放送)
☆☆★
 あぁ、悪い予感が的中してしまったか。その誠実な作風を否定するつもりはありません。でも、ここまで丸く切りそろえちゃうとは、予想以上だったなぁ。第2回までいい感じできていただけに、もったいなすぎる。
 児童福祉司が唐突に手話を使い始めるオープニングから、危ない感じはあったんですよね。子育てに失敗した男たちの宴会は、家裁の支部長の話を聞かるためだけにしては、少々巧みすぎ。家裁に通ってきてた少年の話は、やりようによっては素晴らしい効果をあげたはずなのに、説教調でまとめちゃうとは策がなさすぎるでしょう。
 パート1ほどの横の絡みはもともとなかったのに、結婚式にみんな呼んじゃうようなおざなりは、いくらその根底に善良性があったとしても、物語的に了解できません。結婚式と手話ダンスのどっちもをやりたいのであれば、別々に描いた方がさりげなくてよかったはず。
 聴覚障害者の津奈美百合子と虐待容疑の父親の話のパートが、最後の最後で大幅に縮小されてたのは、非常に残念でした。第2回まではこの話がメインで、他がサイド・ストーリーだったはずなのに。実際、描きたりない印象が残る。その後ろめたさが、あの結婚式と手話ダンスの合体というラストになったのかもしれませんが。
 小田朋子(麻生祐未)への手紙は、パート3(3年後?!)での伏線か。現実的にはいそうにない広川という熱血キャラが、上川隆也のはまり役になっているだけに、その可能性はかなり高そう。それにしても、最終回のクレジットの後に初めて出てくる登場人物ってのは、過去のいかなるうドラマにおいても記憶にないですねぇ。


第2回「幼児虐待」(8/17放送)
☆☆☆★
 このドラマを見て素直に善良な気持ちになれた自分に、ちょっぴり安心しちゃったりしています。各挿話の絡ませ方に強引さがなく、ナチュラルなのがいい。それだけ、脚本の練り上げが素晴らしいということ。
 家裁の支部長を演じる山崎努は、ガス抜き的な役回りで本領発揮しています。中本奈奈扮する津奈美百合子は、マリアのようなやさしさ。3回シリーズは2回目が一番面白いという統計があたっていないことを祈らずにはいられません。でも予告編を見る限りは、危ないなぁ。


第1回「離婚調停」(8/16放送)
☆☆☆
 作品の誠実さはこのパート2でも健在。出来不出来の激しい矢島正雄作品ですけど、このシリーズには期待できます。
 得意技を考えれば、若林しほ(調査官)と有森也美(離婚調停中の母親)は逆なんじゃない?津田寛治(離婚調停中の父)は、『たのしい幼稚園』ではあんないい父親だったのに。聴覚障害を持つ母親役の中本奈奈がいい。




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