TV DRAMA REVIEW HOME
2001年夏ドラマ一覧
茂七の事件簿・ふしぎ草紙 (NHK総合金曜21:15〜21:58)
制作・著作/NHK 共同制作/NHKエンタープライズ21
制作協力/NHKテクニカルサービス、NHKアート
制作統括/小見山佳典、小林千洋、諏訪部章夫 プロデューサー/大山勝美
原作/宮部みゆき
脚本/金子成人
演出/石橋冠(1、2、5、6、9、10)、加藤拓(3、4、7、8)
音楽/坂田晃一 語り/古今亭志ん朝
出演/回向院の茂七…高橋英樹、おかつ…淡路惠子、お絹…星野真里、お艶…中江有里、お京…あめくみちこ、権三…河西健司、糸吉…仁科貴、勝蔵…本田博太郎、稲荷鮨屋伊佐次…原田芳雄
ほか



第10回「侘助の花」(9/21放送)
☆☆☆★
 実にしっとりとした結び。お艶を演じる中江有里の艶な魅力が光る。最後の最後までじらされた甲斐があったというもの。舌っ足らずな締めくくりも、この枠のドラマらしいつつましさ。そんないいムードに水をさす、高橋英樹のオーバーアクトには、困りものでしたけど。
 先日お亡くなりになられた、古今亭志ん朝さんの名調子に★プラス。合掌。


第9回「神無月」(9/7放送)
☆☆
 “酔っ払いバージョン”お絹(星野真里)の本音トークが喜ばしい。ここまで引っ張って引っ張って、侘助ネタは最終回のお楽しみですか。なるほどね。


第8回「だるま猫」(8/31放送)
☆☆★
 話の仕掛けと巧ませ方は過不足なく安定感抜群。そこが物足りなくもあるんだけど。謎めいたおかしみを振りまく勝蔵役の本田博太郎が、ビックリ箱的な面白さ。


第7回「迷子のしるべ」(8/24放送)
☆☆☆
 『人情しぐれ町』を思い起こさせるしみじみとした佳篇。哀感に充ちた母親役の中山忍がいい。これまでの中では、ベストかな。


第6回「凍る月」(8/3放送)
☆☆☆
 市井の人々の悲しみの合間に顔を出す小さいおかしみの連打に味がある。こういうのにいい点つけなきゃ、これやってる意味ないか。井上晴美の哀れっぽい感じは、『柳橋慕情』から更に磨きがかかった感じ。
 色っぽい粋な小唄の師匠、中江有里はなかなか本編に絡んできませんねぇ。クレジットはすでにレギュラー枠なんだけど。


第5回「足洗い屋敷」(7/27放送)
☆☆★
 足洗いの話で全体がカチッとまとまってるところには、好感が持てます。教科書的というか、少しキレイ事過ぎるところがやや気になるけど。「近いうち、きっと不幸が」とのろいの言葉を吐くときでさえ、品格が高い遠野凪子の眼力は圧倒的。さすがは幻の朝ドラヒロインです(だって、テレビで見ないもん)。


第4回「送り提灯」(7/20放送)
☆☆
 SF怪談調が宮部みゆきっぽいけど、話の交通整理はもう一歩といった感じ。主眼は下町の人情話にあるわけで、謎解きが終了10分前に解決する展開は正しいいき方。
 『藤沢周平の人情しぐれ町』では大食いのほうずき女だった中江有里が今回は一転、小唄のお師匠さん役で登場。ほとんど専属状態です。そういえば、この枠でやってた今は亡き“ドラマ家族模様”の第一弾『晴れ着、ここ一番』に茂七親分(高橋英樹)、出てましたよね。あれはひどかった。




Copyright© 2001 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.