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山田風太郎 からくり事件帖 (NHK総合金曜21:15〜21:58)
金曜時代劇
制作・著作/NHK 共同制作/NHKエンタープライズ21
制作協力/NHKテクニカルサービス、NHKアート
制作統括/菅野高至、小林千洋
原作/山田風太郎『警視庁草紙』より
脚本/杉山義法(1、3、8、9)、斎藤樹実子(2、4、5、6、7)
演出/富沢正幸(1、2、3、4、8、9)、久保田充(5、6、7)
音楽/coba
主題歌/『風のタンゴ』阿保郁夫
語り/神田陽子
出演/ご隠居…小林桂樹(1〜4)佐野浅夫(5〜9)、千羽兵四郎…田辺誠一、小蝶…原田知世、お縫…野村佑香、加治木警部…池田成志、油戸巡査…信太昌之、お千…小林麻子、永岡敬次郎…三村晃弘、菊池巡査…西田聖志郎、藤田巡査…小林宏史、今井巡査…康すおん、熊坂長庵…及川以造、針買将馬…斉藤洋介、井上馨…伊武雅刀、かん八…深沢敦、山岡鉄舟…磯部勉、吉五郎…坊屋三郎、川路利良…近藤正臣
ほか

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最終話「泣く子も黙る抜刀隊」(11/23放送)
☆☆☆☆
 抜群の出来栄え。複雑怪奇な歴史的大胆仮説に終始ニタニタさせられっぱなし。皮肉に満ち満ちたからくりの顛末に名人芸を見る。
 演技陣のアンサンブルもすこぶる充実。佐野“ピンチヒッターご隠居”浅夫は、第1回目からいたんじゃないかと思わせるほどの馴染みよう。気風のよさがカッコいい小蝶役の原田知世もとっても魅力的でした。


第八話「皇女のお馬車」(11/16放送)
☆☆☆★
 これまでに登場したキャラクターが飛び道具的に絡んきて、歴史的虚実の巧みな綯い交ぜに色を添えます。人間盗聴器の一世一代の盗聴、なんて奇術的からくりもバカバカしくて楽しいし、東海道を走り抜ける馬車の疾走感がまたたまりません。
 佐野“ピンチヒッターご隠居”浅夫のシャープな演技が冴え渡る。タイトルバックも、一同揃いで取り直したんでしょうねぇ。唯一、田辺誠一が役に入ってない気がするんだけど。


第六話「番外、桜田門」(11/2放送)
☆☆☆
 そのからくりが凝れば凝るほど、見る側はいっそう気が抜けなくなる。桜田門外の変の後日談に樋口一様まで飛び出すやりたい放題に、ただただ感服するのみ。見てて面白いかどうかは、また別の話だけど。
 佐野“ピンチヒッターご隠居”浅夫、早くも馴染む。代役の名優(『水戸黄門』しかり)は溶け込みのスピードも並じゃない。


第五話「最後の牢奉行」(10/26放送)
☆☆★
 牢獄にまつわる人生の皮肉が満ち満ちた展開。二転三転の転がりはよくできてるんだけど、その間合いにはちょっと窮屈な印象も。感心できても、楽しめないという微妙なズレ。
 今回より、佐野“ピンチヒッターご隠居”浅夫登場。ご本人の問題というよりも、周りとのアンサンブルにまだ生煮えの印象あり。見てる側の慣れもあるでしょうけど。


第四話「天女の用心棒」(10/19放送)
☆☆★
 明治初期のPTSDについて。原作はもっと猥雑だったりするらしいんですけど。確かにちょっとお行儀がよすぎるのかも。久々に「へちゃむくれ」って言葉を聞いたなぁ。


第三話「写真事始め」(10/12放送)
☆☆☆
 本当なのか、ウソなのか?見る側にもからくりを強いてくるシビアさに、3回目にしてようやく慣れる。「男女の関係、複雑怪奇五里霧中」というやんぬるかなな成り行きが、実に巧妙に仕掛けられている。芸者役の原田知世がいい。


第二話「銀座れんが街」(10/5放送)
☆☆
 あまりにテレビ的ではない話の込み入りさ加減に、何人の視聴者がこの回の途中で脱落してしまったことか。話は実に巧みによく出来ているんだけど、それが面白いかどうかというのは、また別の話ですから。テロップの補足説明がないと、意味がわからなくなるドラマなんてねぇ。


第一話「人も獣も天地の虫」(9/28放送)
☆☆☆
 歴史的虚実綯い交ぜに加えて、登場人物たくさんで、目がまわるほどの複雑さ。難解とは異にするややこしさに、さて、どれだけの人がついていけるでしょうか。気楽には見れないドラマ。




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