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イタリア通 (フジテレビ系23:00〜23:40)
制作/フジテレビ、イースト
プロデュース/石原隆、波多野健、下山潤
協力プロデュース/杉尾敦弘
ディレクター/河合希絵
脚本/小山薫堂
演出/鈴木雅之
出演/タケシ…堤真一、ナオミ…小雪、謎の男…江守徹



第四夜「ジュゼッペ・ヴェルディとミラノ」(9/6放送)
☆☆☆★
 締めくくりはまるで、『OPERA LIRICA 2001』(『氷点2001』とは雲泥の差!!!)と呼びたくなるようなオペラな展開。変わらぬ語り口のうまさは、ヴェルディの音楽との相乗効果によって、流麗かつ荘厳にこれまで以上際立っていました。
 とりわけ、待ってましたとばかりに解き明かされる、「行け我が思いよ、金色の翼に乗って」のくだりは素晴らしかった。ヴェルディが作った、音楽家のための憩いの家に鳴り響くチェロ独奏には、これまでの巧妙な仕掛づくしとは一味違った、締めに相応しいしみじみとした趣があって感動的。全編を通しての、随所に気の利いたことをやってくれる演出にも、思う存分楽しませていただきました。
 やっぱり、オチは江守徹=イタリア人→フランス人=江守徹でしたか。これは半年毎ぐらいに続々篇とやっていただきたい好企画。『フランス通』での自称フランス人=江守徹が早く見たい。


第三夜「レオナルド・ダ・ヴィンチとフィレンツェ」(9/5放送)
☆☆☆
 いやぁ、勉強になるなぁPARTIII。一つの強固なパターンがきっちりと確立されているだけに、何の不安もなく知識の洪水に身をゆだねられます。ただこれって、『イタリア通』というよりも『イタリアの歴史通』って感じではあるんだけど。その辺の力技的な敷居のあげ方は、『カノッサの屈辱』を彷彿とさせるところか。
 パターンがパターンだけに、これならいろんな国バージョンで続編を作れそう。もちろんその時も、江守=堤のコンビでよろしくお願いします。だってこの二人、絶妙でしょ。


第二夜「マルコ・ポーロとヴェネツィア」(9/4放送)
☆☆☆
 いやぁ、勉強になるなぁPARTII。ヴェネチィアはそういう構造だったんですか、って40分で勉強してるだけに、40分後には何も覚えてないんですけど。
 それにしても、イタリア人江守徹の台詞の質・量はすさまじい。間断ない口跡の美しさよ。まぁ、イタリア人にとってはこの程度の情報なんて、問題ないのかもしれませんが。


第一夜「ジュリアス・シーザーとローマ」(9/3放送)
☆☆☆
 ヴェルディの「レクイエム〜怒りの日」に始まって、「ナブッコ」の「行け思いよ、金色の翼に乗って」で締めくくる40分間。そのケレン味と脱力の配分は絶妙で、その昔、フジが深夜枠やっていた知的教養番組を思い起こさせて懐かしくも楽しい。他局の『世界遺産』の拝借から、遺跡を再現する圧巻のCGまで、何でもありのやりたい放題が決まってます。
 自称イタリア人、江守徹の自信に満ちたその自称ぶりが実に痛快。そこに小さく突っ込みを入れ続ける堤真一もはまってます。彼は『やまとなでしこ』以降、頼りなキャラに新境地を見出した模様。昔はあんなに怖かったのに。




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