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2001年春ドラマ一覧
Pure Soul〜君が僕を忘れても〜 (日本テレビ系月曜22:00〜22:54)
制作著作/よみうりテレビ 制作協力/THE WORKS
プロデュース/堀口良則、木村元子、霜田一寿
脚本/江頭美智留、松田裕子
監督/唐木希浩、岡本浩一
主題歌/『The Only One』清貴 エンディング曲/『マトリカ』いしだ壱成
出演/永作博美、緒形直人、寺脇康文、小栗旬、光浦靖子、石堂夏央、田口理恵、井坂俊哉、長澤まさみ、土橋恵、日野陽仁、大谷直子、田口浩正、市毛良枝、森本レオ、室井滋
ほか



第12回(6/25放送)
☆☆☆★
 10時43分にキャスト&スタッフ・ロールが流れてきたときには、ゾクっとしましたよ。まったく予想してなかった早仕舞いも、ドラマが感動の押し売りにならなかった要因の一つでしょう。最近の連ドラマで最終回が一番いいってのは、非常に珍しいんじゃないかな。
 ケア・ハウス代はどうなってるんだろう、とずっと疑問だったんだけど、そうだった。薫(永作博美)には、自分のブランドの服を売ってるインターネット・ショップがあるんでしたね。結構売れてるみたいだし。やっぱり、手に職は勝つか。『昔の男』の阿部寛の言葉を思いだしちゃったりして。
 薫が描いた浩介(緒形直人)の似顔絵には目頭が熱くなりました。天使的なまでの無垢を演じる永作博美が抜群に上手い。ラストの海辺のシーンが暖かさに満ちていて、正直ほっとしました。仮に、より過酷な近い将来が変えられないものとしてもね。この不毛枠、久々のヒットでしょう。


第11回(6/18放送)
☆☆☆
 2年10ヵ月後の歳月が流れ、一番変化したのは石堂夏央の化粧が薄くなったことか。人工授精が成功して、町子(室井滋)もすっかりいい人に。ピクニックのシーンが泣かせる。薫(永作博美)のモノローグが泣かせる。甘いといえば甘いですけど、寄り道のない展開には共感します。予想ほどは病気の進行について描いてないですね。そこがやっぱり、甘いっちゃ、甘いんだけど。


第10回(6/11放送)
☆☆★
 音楽演出の改善が見られる。やはり、微調整は試みられてるんですねぇ。出産の意義は男と女では違う、という対立軸での話の組み立てはうまくいっていました。失うだけ与えられる、っていう達観したような薫(永作博美)の心境は切なすぎます。
 コーマ状態の夫の最期を看取るシーンは、絶対室井滋演じる先生一人の方がその孤独感が伝わってきてよかったと思うなぁ。夫の病室に訪ねてきた緒形直人に対して、室井が心情を吐露するってところまではドラマ的な嘘として許容出来たけど。ラストシーン、新居を目の前にした夫婦の決然とした態度には、少し救われた思いです。


第9回(6/4放送)
☆☆★
 雨降って地固まる的に、話が原点に戻る。脚本に驚きや冒険がないところは物足りなくもありますが、その分は溢れんばかりの誠実さでカバー。はじめて心情告白した室井滋にとって、二人の妊娠を告げるってシチュエーションは皮肉だねぇ。このドラマの真価が問われるのは、ここからでしょう。


第8回(5/28放送)
☆☆★
 つらい。人生の意地悪を感じずにはいられません。ただ、二人の前に立ちはだかる障害が意図的すぎて興ざめになっちゃうこともしばしば。寺脇のこだわりも室井滋の乱心も、ちょっと唐突な印象を受けます。普通、医者に夫のことを名前では呼ばないだろうしね。
 そんなこんなではありますが、緒形直人と永作博美の真摯な演技は、やっぱり凄いですよ。読売テレビ制作のドラマには珍しく、12話まであるこのドラマ。今はまだ、大いなる困難の入り口付近ってことなんですよね。


第7回(5/21放送)
☆☆★
 ロケのセピア調の映像が美しいです。返す返すも惜しいのが、ドラマにまったく合わないボサノバ風音楽。緒形直人、益々真摯。不安の奈落におののく永作博美は、その演技派ぶりを十二分に発揮してます。細やかな表情付けがうまい。珍しく、寺脇康文もいいんじゃないの。ドラマ的なアクセントとしてはギリギリの線だと思うけど。光浦靖子と石堂夏央(オフィシャルサイトの人物相関図になぜ載ってないの?)の同僚友情組がはじめてシリアスな演技を見せました。あれれ。『女優・杏子』の竜介さん(樋口浩二)の姿もチラリ。


第6回(5/14放送)
☆☆☆
 今クール最高の感動編候補が、遅蒔きながらその実力を発揮し始めております。その感動と同じくらい、問題点もあるんだけどね。医者の極端な性格付けは、やっぱり度を越えてる。患者の家族にペラペラと独白しちゃうなんて、現実的じゃなさすぎます。ただこれは脚本のせいである以上に、役を作りこみすぎてる室井滋に問題があるかな。再発の判明次第に会社を辞めないのも、社会的には無責任すぎますよね。まぁ、昔の恋人というサブ・プロットを生かしておきたいという、欲張りな思いはわかりますが。大谷直子は去るために出てきたのか?! 今後出てこなければ、そういうことになります。
 そんな多くの問題を抱えつつも、このドラマの誠実さはやっぱり絶賛に値します。その屋台骨を支えているのが、緒形直人であることは言うまでもないんですけど。永作博美のうまさは、病状が進行するにつれて益々際立ってきてる。この二人の切実さに思わず引き込まれるのです。ここ数クール連続で母親役出演中の市毛良枝は、主役しかやらない時代からうまく脱皮したねぇ。


第5回(5/7放送)
☆☆★
 いよいよ本筋に入ってきましたね。館山ロケが切なくも美しかった。ただ、この感動的な物語の興をそぐ要素が二つ。一つは前にも書いた、室井滋が演じる医者の極端なキャラクター。仮にそれが何かしらかの伏線であったとしても、あの人物は感じ悪すぎでしょう。あと、ボサノバ風の音楽はこのドラマにはあわないね。


第4回(4/30放送)
☆☆★
 人生の過酷さを教えてくれるドラマ。真っ白なアルバムに将来の思いをはせるなんて、辛すぎます。全体に古めかしい感じが否めないのは、音楽のせいかな。誠実な作りのこのドラマで悪一点、室井滋演じる医者には読売テレビ制作ならではのファナティックな医者物(?)の悪臭が。


第3回(4/23放送)
☆☆★
 悲しい結末がわかっているだけに、幸福な瞬間瞬間がいっそう切なく感じられます。医者を必要以上にエキセンテリックに描くあたりは、いかにもこの枠っぽいんだけど、基本的には丁重な作りに好感が持てます。ワンポイントの大谷直子が強烈。


第2回(4/16放送)
☆☆
 真摯度だけでいけば、今クール一番かも。緒形直人の最後のナレーションがまた真摯なんだなぁ、これが。オープニングのセピア調の映像が、とってもきれいでした。


第1回(4月9日放送)
☆☆★
 ここまで正統派っぽいドラマって、日テレでは久しぶりじゃないですか。少なくとも、緒形直人のナレーションは本物ですよ。




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