TV DRAMA REVIEW HOME
2001年春ドラマ一覧
お登勢 (NHK総合金曜21:15〜21:58)
制作・著作/NHK
共同制作/NHKエンタープライズ21 制作協力/NHKテクニカルサービス、NHKアート
原作/『お登勢』船山馨 制作統括/吉川幸司、小林千洋
脚本/ジェームス三木 演出/清水一彦、木村隆文 語り/すまけい
出演/沢口靖子、森口瑤子、葛山信吾、篠井英介、嵐広也、汀夏子、笹野高史、竜雷太、蟹江敬三、橋爪功
ほか



第12回(6/22放送)
☆☆☆
 全12回、☆☆☆をキープし続けたドラマって、今クールはこれだけなんですよね。それだけ安定した出来ばえだったってこと。沢口靖子のお登勢は、その天真爛漫さを含めてまさにあたり役でした。今回もワンシーンのみの出演でしたが、志津役の森口瑤子の存在感もすごかった。その気高さは並じゃなかったね。津田貢役の葛山信吾は、その一途さを上手く演じていたと思います。
 これはぜひとも同じメンバーで続編を作って欲しいなぁ。「エトロフはるかなり」ばりにロケ満載の『お登勢 蝦夷編』を期待したいですねぇ。


第11回(6/15放送)
☆☆☆
 お登勢、泥のように眠る、か。津田貢(葛山信吾)を逃がすために全力疾走のお登勢=沢口靖子さんは、見た目にも星野真里、小西真奈美の『新・星の金貨』組より早そう。「やんぬるかな」と思った途端に、すまけい再登場のおまけつき。森口さんが回想シーンだけってのは、ちょっと悲しいなぁ。最終回でギリギリ原作に間に合うか?! 今度こそ蝦夷へ……。


第10回(6/8放送)
☆☆☆
 添い寝から口移しまで飛び出すお登勢の献身的な看病も感動的なんだけど、リアクション女王面目躍如の沢口さんはさらに感動的。厠(かわや)の扉に頭をゴツンもすごかったけど、最強はイビキかきながら口開けて寝ちゃうラストか。沢口さんと極北と言えば、『エトロフ遥かなり』ですよねぇ。あのドラマはよかったなぁ。
 今回は出番が少なかった森口さんですが、それでも彼女が登場すると、場面がピリッと締まります。空気が一変するすると言うか。彼女もそんな存在感のある女優さんになったってことですねぇ。涙々…。


第9回(6/1放送)
☆☆☆
 ドラマは北へ北へ、そして……。蝦夷へ。椅子に座ってまでも、沢口“お登勢”靖子さんの驚きリアクションはすごかったですねぇ。洋装とっかえひっかえの森口“志津”瑤子さんの「お前、怒ってるの?!」にドキッ。


第8回(5/25放送)
☆☆☆
 沢口さん、リアクション女王の道を驀進中。転び方も驚き方も呆れ方も痛がり方も、ちょっと見たことないぐらいの、師範格の領域に達してらっしゃいます。
 すまけい、登場!でも、すぐさま退場か。志津の経緯を大胆省略した意図は次回に明かされるのでしょうか?あと4回でお登勢は原作分のどこまで流れていけるかな。


第7回(5/18放送)
☆☆☆
 やっぱり沢口さんの台詞は完璧だ(詳しくは、6月7日発売『モバレブ』次号のコラム『絶賛に値するテレビ』をどうぞ)。志津は気まぐれだけど、時々いい人に。もしやAB型?その森口さん、緩んだ口元に隙あり。「奉公人に何がわかります」って、凛々しいですねぇ。
 冒頭からすまけいのストーリーテラーぶりは益々絶好調。沢口さんの腕相撲に森口さんの白無垢と今回はいつもにも増してみどころ満点でした。しかも物語的な破綻ゼロっていうのも、得点高いですねぇ。今クールのドラマ中でも、もっとも安定感のあるドラマはこれかな。


第6回(5/11放送)
☆☆☆
 今回は、森口“志津”瑤子の回。「裸におなり」からはじまる風呂場での女と女の肉弾戦では、森口さんを湯船に投げ飛ばしてしまう沢口さんの腕力勝ち。でもそれ以外では、そのエゴの強さで筋金入りの志津が圧勝。「極道め」と罵られても琴を弾き続ける気丈夫さと言ったらもう。負けん気の強そうな、森口さんの表情が冴えまくってました。
 ラスト、志津の顔が雷の光に浮かび上がったシーンは、『昔の男』かと見間違えました。来週が待ち遠しい!


第5回(5/4放送)
☆☆☆
 「無垢の生娘が女の川を渡った」回。ラブ・シーンを人形浄瑠璃で代行しちゃうっていう常套手段も上手くはまってました。すまけいさんのストーリーテラーは益々好調。ダジャレも爆発してます。それ以上に絶好調なのが沢口“お登勢”靖子。もう人形以上にカクカク動いてるぞ。


第4回(4/27放送)
☆☆☆
 森口さん、短銃で月を撃つ。過去との決別には、笑うしかないんですよね。いよいよ本格的に、ダイナミックな歴史通俗小説っぽくなってきましたよ。早く続きが読みたい。すまけいの語り、冴えてます。今回は久々に、ジェームス先生の魂胆も成功みたい。


第3回(4/20放送)
☆☆☆
 幸せなドラマだ。沢口さんと森口さんのツー・ショットが見られるだけでも奇跡的なのに、話もしっかりしてますからねぇ。プロ的じゃないけど、今回の沢口さんの丁寧な役作りには好感が持てます。そのおバカ賢者ぶりが素敵。ジェームス三木先生に名花と謳われる(『お登勢』オフィシャル・サイトにて)森口さんの凛とした意地悪ぶりもいい。あぁ、やっぱりこのドラマは幸せだ。


第2回(4/13放送)
☆☆☆
 人形みたいな沢口さん、上手いんだか下手なんだかわからないスレスレの微妙さが最高! 紫頭巾の森口さん、最近いい人づいてたけど、久々の気まぐれお嬢ぶりもなかなかにはまってます。人形浄瑠璃とのシンクロは上手いねぇ。脇を固める俳優陣も高級。安心してドラマに酔えます。


第1回(4/6放送)
☆☆☆
 1971年のポーラテレビ小説以来の『お登勢』。(音無美紀子のお登勢に、上村香子の志津だった)。30年ぶりに再びジェームス三木先生が脚色を担当されております。ぜひとも『葵』の汚名を晴らしていただきたい。再びのストーリーテラー(すまけい)起用には思わず苦笑。まぁ、今回は当たってそうな臭いはしますけど(毎回やってりゃ、そりゃどこかで当たるだろう)。
 船と浄瑠璃人形は『菜の花の沖』の使い回しか。キャストも若干名、使い回されてます(竜雷太、笹野高史)。
 あれれ?沢口靖子の台詞回しがおかしくないぞ。そうなのです。今回は沢口さんのマザー・タング、関西弁が使えるんです。おめでとう、沢口さん。初の主演賞候補なるか?!
 お気づきでしょうか。このドラマでは、(前)世紀のミス対決が実現しております。片や1984年東宝シンデレラ、沢口靖子。片や1983年ミス松竹の森口瑤子。どっちがエライかなんて言いっこなしよ。とにかくこれは、見逃せません。




Copyright© 2001 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.