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2001年春ドラマ一覧
陰陽師 (NHK火曜23:00〜23:45)
制作著作/NHK 共同制作/NHKエンタープライズ21、東北新社クリエイツ
原作/夢枕獏 制作統括/小見山佳典、一井久司 プロデューサー/近藤晋
脚本/小松江里子(1、2)、田中江里夏(3、5、7、10)、長川千佳子(4)、渡辺美穂子(6、8、9)
演出/小田切正明
音楽/H.GARDEN 主題歌/『記憶の空へ』canna
出演/稲垣吾郎、杉本哲太、本上まなみ、石橋蓮司、高橋恵子、寺尾聰、【以下ゲスト】山口紗弥加(1)、宮川一朗太(1)、宮下順子(1)、永澤俊矢(1)、櫻井淳子(2)、速水典子(2)、和泉ちぬ(2)、大石継太(2)、西村和彦(3)、南野陽子(3)、横山めぐみ(4)、渡辺いっけい(4)、美保純(5)、塚本高史(6)、三田和代(6)、風間杜夫(6)、後藤理沙(7)、高橋ひとみ(7)、戸田菜穂(8)、石橋保(8)、白島靖代(9)、金山一彦(10)
ほか



第10回(6/5放送)
☆☆★
 悲しみもどこか浮世離れしてたせいか、最終回だというのに、白々と模様眺めしてしまいました。炎の中にすっと消え入った蜜虫の姿にハッっとする、その映像の美よ。エンディング・ロールが二人になってたのには、笑ったなぁ。


第9回(5/29放送)
☆☆☆
 蜜虫のジレンマ。これまで人生の底辺人を演じ続けてきた白島靖代が、土橋に姓を変えるやいなや、かつてなきほどに位の高い役をゲットですよ。弥が上にも高まる祝結婚ムード!かわいがられすぎて行き遅れてしまった末に、真摯にも尼僧になってしまわれるという悲しい成り行きは、これまでの役と大して変化ないんだけどね。
 今や定番と化している、荒涼とした岸辺のロケが効いてます。風に吹かれる蜜虫(そうそう、今回の主役は本上まなみだった)と修子の、引きのショットがたまらなく美しかった。それにしても、何かっていうとここだよね。そんなに都は狭いのか。
 脚本家によって出来不出来のムラがあるこの作品ですが、第6、8話も書いてる渡辺美穂子さんは今回もいいですね。禁欲的なまでの閉鎖性から幸せを手探りしていこうとする姿勢って、同じく渡辺さんが脚本を担当している4/29放送の『中学生日記 ひとりぼっち』(傑作!)にも通低する部分か。とうとうDモード女優化した高橋恵子さんは、最終回も活躍の予感。


第8回(5/22放送)
☆☆★
 このドラマを見るときには、部屋を暗くするとより効果的なリラクゼーション効果が得られます。椿の花言葉は「私の運命はあなたの手に」とな。その悲しみを戸田菜穂が全身全霊で熱演。稲垣、本上、杉本のコント風アンサンブルは、一層いい感じになってきました。


第7回(5/15放送)
☆☆☆
 その抜けのよさが、見ていて何とも心地よい。今回の勝因は、思いっきりお話をシンプルにしたところでしょうか。よく考えてみたら、演技する後藤理沙って初めて見たなぁ。なるほど、演技できないから、演技する機会も少ないってわけね。でもかわいいから許す。
 原作のファンにはこのドラマ、非常に評判が悪いようです。でも原作を離れたまったくの別物として、これはこれで実に興味深い作品に仕上がっているのではないでしょうか。少なくとも、こんなトーンのテレビドラマは、今までに見たことないもんね。


第6回(5/8放送)
☆☆★
 三田和代、風間杜夫といったベテランを配した分、今回は一段と温度の低い展開に。その恐怖度は氷点下レヴェルです。小野小町の死霊を登場させてしまうというデタラメなお話に説得力を与えていたのは、言うまでもなく三田和代の狂演のおかげ。これまで出てきたキャラクターの中でも、最強に顔が怖かったです。


第5回(5/1放送)
☆☆★
 内容はほとんど殺生カタログ化してますけど、雰囲気は逆に、奇妙なおかしみがたまらなく心地よいアンビエントなテイストのドラマになっております。とにかくテンポ感からして、他のドラマとはまったく違ってる。時代物なのに台詞が口語っていうギャップも面白い。今回は、杉本哲太が意外に強いという事実が判明。それにしても、“つづく”の字がちっちゃい。


第4回(4/24放送)
☆☆☆
 すさまじくも悲しき鬼となった美しき女の性よ。4分以上にも及ぶ長台詞をワンカットで演じきった横山めぐみは絶賛に値します。ドラマ自体も調子が出てきた感じ。(今回の脚本は、『高村薫サスペンス』の長川千佳子)。
 一途な杉本哲太がいい。ダブルでミラクル・クールな稲垣吾郎と本上まなみは、飄々(ひょうひょう)とした現代的な間で、妙におかしい。テクニカルな凄さも見逃せません。時間帯次第では、もっと視聴率も伸びただろうに。


第3回(4/17放送)
☆☆
 このドラマの静けさは何だ!表面的なテンションの低さは並じゃないでしょう。稲垣吾郎、本上まなみってところが天然でテンション低いせいもあるだろうけど。寺尾聰は世をはかなんでる感じがピッタリ。南野陽子の旦那は西村和彦だったのか。最後まで気がつかなかった。自然景の挿入が効果的にきまってる。


第2回(4/10放送)
☆☆
 曖昧さのないカチッとした作りなので、見ていて安心できる。呪術物で安心していいのかどうかは疑問だけど。ただ、今クールの他のどのドラマともテンションの違う作品であることは間違いない。誉めてるんですよ。すさまじき女を演じさせると、櫻井淳子ってはまりますねぇ。


第1回(4/3放送)
☆☆
 折り目正しく、妙に納得できるお話でした。あれっ、映像にエフェクトかかってますね。やや生っぽい感じの画作りは、NHKの近作『六番目の小夜子』『トトの世界』あたりもそうだったけど、微妙に違う感じもする。少々目がちかちかするけど、NHK的な画の安っぽさは回避できてる。




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