TV DRAMA REVIEW HOME
2001年春ドラマ一覧
ラブストーリー (TBS系日曜21:00〜21:54)
製作著作/TBS 制作/TBS ENTERTAINMENT
プロデュース/植田博樹
脚本/北川悦吏子
演出/生野慈朗(1、2、5、6、10、11)、土井裕泰(3、7、8)、今井夏木(4、9)
音楽/日向大介 主題歌/『遥か』スピッツ
出演/中山美穂、豊川悦司、香取慎吾、優香、加藤晴彦、畑野浩子、坂口憲二、コタニキンヤ、一戸奈未、徳井優、半海一晃、ユースケサンタマリア、戸田菜穂、山下容莉枝、木村翠、佐々木蔵之介、音無美紀子、小野武彦、三崎千恵子
ほか



第11回(6/24放送)
☆☆☆
 これしかないというラストを、ピンポイントで期待通りにやってくれるあたりはさすがです。美咲(中山美穂)と高校時代の同級生の川原(ユースケサンタマリア)の再会はいい感じだったなぁ。あまりにも身につまされる話に、いたたまれなくなりました。
 終始好調というほどでもなかったけど、最終回の例え話は冴えてたね。恋の告白が大学発表に置き換えられてるのには笑った。ただ結局は、最強の玉の輿のお話だったってわけか。


第10回(6/17放送)
☆☆☆
 男を落とすかわいいしぐさの許容範囲は、年齢制限かキャラ制限か?! 一視聴者の声が届いたのか、鍋友(香取慎吾)はちゃんと“いばらき”って言ってました。収録はとっくの昔に終わってるはずですけど。お偉い作家先生ほど一般教養に欠けているって意味かねぇ、これは。
 地方のミニコミ誌とは北川さんもホント、微妙なところを突いてくるなぁ。常に軽い小バカを感じてしまうのは、単なる被害妄想でしょうか。加藤晴彦の「魔法をかけてあげましょう」ってのは、ちょっと芝居がかりすぎで興ざめ。まぁ、トヨエツと中山美穂の夫婦漫才は、その芝居がかり方がコチョコチョされてるみたいで楽しいんですけどね。変に恋路に走らないところがここまではよかったと思うんだけど、最後はそうもいかないんでしょうね。


第9回(6/10放送)
☆☆★
 何度振られても不死鳥のように蘇る、美咲の不屈の契約社員魂には敬意を払いますが、餃子の王将のバイトを愚弄するのは許せない。“いばらき”を“いばらぎ”って作家に言わせちゃダメでしょう、北川さん。畑野浩子は東大出という設定だったのか。見えねぇ〜。
 最近敵役が多かった戸田菜穂は、こういう繊細な役の方があってる。一戸奈未がお茶くみだけってのは、ちょっともったいなくないですか。『ラブ コンプレックス』の彼女が鮮烈だっただけに。
 日記を焼くシーンは、“台詞の北川”の看板が余計だったかな。せっかくいい感じだったのに、説明台詞が邪魔でうるさかった。前日の『ロズウェル・星の恋人たち』第5話でも日記の封印が出てきましたけど、その位置付けに違いこそあれ、あっちの方がうまかった。
 まぁ、いろいろ問題もありますが、個人的にはこれまでの北川ワールドと比べれば、この作品は雲泥に許容できます。トヨエツのおかしみに負ってるところが大きいんだけどね。


第8回(6/3放送)
☆☆★
 中山美穂、加藤晴彦のパートは見てるのが恥ずかったので、別れてくれてホッとしました。まだ、香取慎吾、優香のツー・ショットの方がぜんぜん大人だもんね。優香はカフェのウェートレスよりも野菜売りのほうが似合ってたんじゃ。誉めてるんですけど。長いメールは怖い、ってのには個人的にも反省。
 逆に、トヨエツと戸田菜穂(いまや、戸田麻衣子のお姉さん?!)のしみじみはいいですねぇ。でも主役は中山美穂なわけで、当然の如く彼女が絡んでくると、しみじみ度は後退し。さよならイルカって、よくもあんな場面、書けるよなぁ。瞬間共感度をテレゴングで調べたい気分。


第7回(5/27放送)
☆☆★
 “ワァ〜”“ハ〜ッ”“ククッ”“コチョコチョ”“ジローッ”“エヘヘ”と、もはやこんな擬態語しか思いつかない展開に。
 デートでパソコン見に行っても楽しくないよねぇ。中山美穂にはLa Vieが無料支給されてるだろうし。でも提供は東芝というジレンマ。
 電車のロケは大変だったでしょうねぇ。見てる方も(気恥ずかしさのあまり)チャンネル変えそうになるのを我慢するのに大変でしたけど。トヨエツの出番が少ないのは寂しいなぁ。何せこのドラマ一番の売りは、じりじりするトヨエツですから。
 最近、CMスポットでこのドラマのことを「ラブスト」って呼んでるのを聞いて、一瞬『ラブ・ストライキ』の略かと思いましたよ。その後やってる番組が『スポラブ』で……。かなりまぎらわしい。


第6回(5/20放送)
☆☆★
 二度と言わない臭い台詞(ドラえもんネタ)は、主人公たちとて二度と言えないか。すべての展開が、ある意味寒い。でもその寒さに面白味を見出してしまうという、ちょっと逆説的な状況に、今はありますかね。中山美穂、加藤晴彦のくどき合戦は、いくら何でもちょっとくどすぎだったけど。まぁ、北川さん的には、最高に筆がのったところだったんでしょうね。


第5回(5/13放送)
☆☆★
 ライターと担当編集者がこんなに仲良しだったら、世の中平和なんですけどねぇ。「嘘とホントの狭間で」って、スピッツも歌っております。
 松嶋菜々子=反町の結婚会見ネタまで出してくるとは、軽やかと言うか捨て身と言うか。話が動かないところが結構評判悪いみたいですけど、私はこれでいいと思うなぁ。ちょっとウェルメイドな舞台劇みたいで。ただ、今回のメイン・ストーリー、原稿がなくなった云々という話には退屈しました。ほのぼの路線としては、これでもいいのかもしれないけど。
 今クールのTBSドラマでは、これが一番かと思ってたけど、ここにきて『昔の男』のほうが若干リードという感じでしょうか。現旧の女流ライター対決です。内館先生、すみません。


第4回(5/6放送)
☆☆☆
 ラジオドラマにしてもいいぐらいの台詞の洪水のおかげで、画面から眼を離しても支障がないところがありがたいです。オープニングのマッチ棒をまつげにのせちゃう話もかわいいんだけど、動物園の猿に自分をなぞらえるところなんかは、別に何てことはないんだけど、誰にでもピンとくるような広角打法的突きつけ方はやっぱりうまいね。
 一発屋の人生のその後と一発屋でもない人間のその後だったら、圧倒的に一発屋の人生の方がいいけどなぁ。だって、少なくとも人生にいい思い出が残るでしょ。


第3回(4/29放送)
☆☆☆
 日曜夜9時はこれぐらい緩いドラマの方が助かります。中山美穂とトヨエツの夫婦漫才風の掛け合いはなかなか楽しい。確かに、書けない時は書けないもんねぇ。北川さんにはそんなことはないんでしょうけど。女性の心情告白調なのは『ラブ・レボリューション』と同工だけど、役者分こっちの方がおかしみがあるかな。スピッツの主題歌がこのドラマの古色蒼然ぶりに拍車をかけてます。


第2回(4/22放送)
☆☆★
 オープニングの30振袖話は笑えた。あとはNEC、KDDI、アルペン、エプソン、まぁ何でもいいんだけど、CM的な地のままにいろいろと表出されてるって感じ。5年前(『ロング・バケーション』)はよかったかもしれないけど、今「地雷踏んだ」って台詞は、TBS的にまずいんじゃないんでしょうか。その古めかしさゆえのなごみ系ドラマぶりは認めますけど。
 なるほど、畑野浩子はこっちが忙しいから、『OLビジュアル系』の方は話にのぼれど姿はなしなのか。


第1回(4/15放送)
☆☆☆
 今クールの大本命です。“BL(ビューティフルライフ)”の次だから、今度は“LS”とか呼ばせちゃうんでしょうか。何気ないダイアローグは相変わらずお上手です。ディテールが気が利いてるのは、やっぱり制作サイドの気合ってことでしょうねぇ。まぁ、トヨエツのキャラは映画『恋愛小説家』のジャック・ニコルソンの忠実なパクリなんだけど、それを何の臆面もなくやってしまってるところがまた北川悦吏子さんのエライところです。
 “BL”のポリーニの靴に続く、今回の北川さんお薦めの商品は紀の善の抹茶ババロアなのかな。これはおいいしいですよ。




Copyright© 2001 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.