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北条時宗 (NHK総合日曜20:00〜20:45)
制作著作/NHK
制作統括/阿部康彦
原作/高橋克彦『時宗』より
脚本/井上由美子
演出/吉村芳之、吉川邦夫、渡邊良雄、城谷厚司、吉田浩樹、真鍋斎、勝田夏子、松浦善之助
音楽/栗山和樹 語り(覚山尼)/十朱幸代
出演/北条時宗…和泉元彌、北条時輔…渡部篤郎、北条時頼…渡辺謙、涼子(涼泉尼)…浅野温子、安達泰盛…柳葉敏郎、桐子…木村佳乃、祝子…西田ひかる、北条実時…池畑慎之介、祥子…ともさかりえ、讃岐局…篠原涼子、梨子…牧瀬里穂、川崎麻世、平頼綱…北村一輝、宰子…川原亜矢子、謝太郎…松重豊、北条顕時…山口馬木也、北条宗政…比留間由哲、北条義宗…宮迫博之、蓮華…神田うの、少弐資能…野口貴史、北条義政…渡辺徹、足利泰氏…西岡徳馬、桔梗…原田美枝子、高師氏…江原真二郎、宗尊親王…吹越満、少弐景資…川野太郎、竹崎季長…うじきつよし、菊池武房…小西博之、潘阜…錦野旦、美岬…藤あや子、北条時章…白竜、一条実経…井上順、西園寺実氏…大木実、無学祖元…筒井康隆、趙良弼…修宗迪、クビライ・カアン…バーサンジャブ、北条時広…石橋蓮司、服部正左衛門…室田日出男、北条政村…伊東四朗、平幹二朗、佐志房…藤竜也、日蓮…奥田瑛ニ、毛利季光…高橋英樹、松下禅尼…富司純子、清川虹子、謝国明…北大路欣也
ほか

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総集編・後編(12/23放送)
☆☆★
 総集編だから見えてくる良悪交々。時輔の登場シーンの多さを考えると、タイトルは『北条時宗』じゃなくて、『時宗と時輔』の方が適切だったのでは(『利家とまつ』の先取り?!)。実際、竹崎季長はあれほどの重要な寄合に参加できるほどには、偉くなかったんですよ。あんなバカっぽくもなかっただろうけど。室田日出男が演じた服部の使い方も下手。
 それにしても、二度の蒙古襲来は金がかかってました。蒙古襲来絵詞と見比べても、かなかなに精緻。みんなの受信料が、こういう形で使われております。
 このドラマ中でもっともフィクション度の高かった、蒙古使節の前で対決した時宗と時輔のシーンはこの総集編でもフルバージョン扱いでしたけど、あそこは何度見てもやっぱりおかしい。使節が片言でも日本語わかったらどうなるの。歴史的にもおかしいけど、ドラマとしても許されない域でしょう。同じフィクションでも、泰盛・頼綱の霜月騒動前夜祭はドラマティックでいい感じ。大河の難しさを改めて実感する。


総集編・前編(12/16放送)
☆☆☆
 端折り方に物足りなさを感じるも、政村(伊東四朗)、宗尊親王(吹越満)他多数の懐かしい顔に、実はこのドラマのキャストって豪華だったんだと再認識する。
 何と言っても最大のみどころは渡辺“ブロンズ像”謙の「時輔を殺せ!」フルバージョン。後編にも出るかな。


第49回(12/9放送)
☆☆★
 「生きる意味を知った途端、死なねばならぬ」とは言いえて妙の皮肉がにじむ最終回。兄と弟の関係性を表すゴッドファーザー風のスコアが場面を盛り上げます。如何せん、時輔のスナフキン・ルックを見てると、ノンフィクションという現実に引き戻されちゃうんだけど。
 久々のダークサイド大河として、テンションが落ちなかったのは、うれしい誤算。そんなダークサイドの象徴、渡辺“ブロンズ像”謙が回想シーンで最後にもう一回見られて幸せ!エピローグに十朱“祝子”幸代登場で、ドラマの起承転結が収まる。
総合点☆☆☆


第48回(12/2放送)
☆☆☆★
 怒涛の見せ場連発。これが最初で最後の時輔(渡部篤郎)と宗政(比留間由哲)の初ツーショットか?! それにしても、時輔のあきれるほどの強運ぶりには、ただただ驚くのみ。蒙古の船団が海の藻屑と消えた嵐のシーンは、CGとの合わせ技でがんばってはいたかなという印象。
 泰盛(柳葉敏郎)と頼綱(北村一輝)のリアルな殺陣対決は、霜月騒動の前ふりにしちゃ派手すぎのような気もしたけど、なかなかの迫力でした。アフレコはちゃんとあってなかったけど。


第47回(11/25放送)
☆☆☆
 「失敗は人間を一回り賢くする」と言わんばかりの防塁作戦、大成功。カッコよく回想シーンで再登場するオヤジさま、佐志房(藤竜也)の偉大さを思い知る桐子((木村佳乃)、再び“武者姿”バージョンに。ちょっぴり懐かしい。時広(石橋蓮司)の風雪に耐える石の話に含蓄がにじむ。


第46回(11/18放送)
☆☆☆
 佐志房(藤竜也)の最後は、ミニミニな『パニック・イン・スタジアム』ノリ。あれだけ練習したのに、銛投げは不発でした。腕立てで鍛えた腕力も、クビライ・カアン(バーサンジャブ)の貫禄の前では無力だったか。山崎努みたいな藤竜也が来週から見られなくなるなんて、ちょっと寂しい。時輔と桐子の関係もあれしきでお終い?! とりあえずは、全包囲網的にフィクション・ドラマと化しております。


第45回(11/11放送)
☆☆★
 驚愕!神田うのに台詞が。蒙古で色気づいたか、桐子(木村佳乃)が“武者姿”バージョンでも“姫姿”バージョンでもない、いつになくフェミニンな出で立ちに。これで時輔(渡部篤郎)と桐子との関係の準備が整ったわけね。己を研ぎ澄ます佐志房(藤竜也)といい、ますますフィクション度が上がっていく。“莫煩悩”の一言で、時宗の心はこれまでにない高みに達したというけれど、見た目の和泉元彌はなんら変わらず。


第44回(11/4放送)
☆☆☆
 アメリカンじゃない祝子(西田ひかるじゃなくて、十朱幸代)が久々に登場、足利高氏付き。涼子(浅野温子)もお久しぶり、喜々付き。
 今回はまさに、妻たちの戦の回。その代表、梨子姉さま(牧瀬里穂)の孤独な戦が心身に迫る。それにしても、あの張り手は痛かったでしょ、北村さん。ほとんど、あたってたもん。あれだけ殴られてたけど、その段階では烏帽子はとれていなかったぞ。ラストシーンがいっそう怖い。
 負けじ劣らず、梨子をおばば呼ばわりする禎子(寺島しのぶ)の迫力も増している。マルコ・ポーロはダリオ・ポニッスィ。


第43回(10/28放送)
☆☆☆
 さよなら、義宗(宮迫博之)の回。予想以上の役者ぶりに、すっかり感心させられました。ドラマの暗黒度は更に高まる。義政(渡辺徹)は見せ場なきままに出奔。渡辺徹にはもう少し大きい役をやって欲しかった気も。しゃべらない西郷隆盛(『慶喜』)の怪演レヴェルの期待感があっただけに。


第42回(10/21放送)
☆☆☆
 病持つ者が病持つ者を見抜き、またその逆も真なりか。実時を演じた池畑慎之介の名演もこれで見納め。その含蓄を失うとは鎌倉幕府のみならず、このドラマにとっても大いなる損失でしょう。


第41回(10/14放送)
☆☆★
 今更、史実に忠実であれ、なんてバカは言わないけど、奇想天外もあそこまでメローになっちゃうと、ちょっと少し興ざめ。死んだはずの時輔が通訳で帰ってきて時宗とご対面、というウルトラCはいいとしても、使節の前で兄弟喧嘩するかねぇ。そんなの、アホらし過ぎるでしょ。


第40回(10/7放送)
☆☆☆
 “武者姿”バージョンと“姫姿”バージョンで、桐子を2倍楽しむ回。今後もガンガン早替わりをよろしく。


第39回(9/30放送)
☆☆☆
 策士的なプロットが冴えた回。怨みつらみの桔梗が散って、いよいよこの後の、渡辺“ブロンズ像”謙の出番は完全に消えた?! 桔梗役の原田美枝子は、予想ほどには燃焼度は高くなかったかな。


第38回(9/23放送)
☆☆☆
 緊迫した評定の席で始まり、白熱の評定の席で終わるという、カチッと起承転結が行き届いた回。佐志房(藤竜也)と時宗との、木刀での打ち合いに悲しみがにじむ。とりあえずは、東芝日曜劇場(『恋がしたい×3』)が終わったので、渡部篤郎を一日ニ回見なくてよくなって、ホッとしています。


第37回(9/16放送)
☆☆☆
 “蒙古襲来三部作”でやや大味になりかけていた展開を、再び引き締めにかかった今回。蒙古の謎の撤退を問うていく中でも、とりわけ時宗(和泉元彌)と頼綱(北村一樹)の絡みが出色。この二人の主従関係を越えた怪しい結びつきは、常にねっとりとした緊張感を生んで、ドラマにある種の幅を持たせています。


第36回(9/9放送)
☆☆☆
 博多炎上シーンが圧巻。大挙出演の武士の顔ぶれに思わず頬が緩む。蒙古より怖かったのは、服部(室田日出男)の顔。それにしても、うじきつよしの竹崎季長はバカっぽいなぁ。


第35回(9/2放送)
☆☆☆
 これだけの大量キャスト中、女性は木村佳乃、西田ひかる、神田うのの三人だけとは、ちょっとビックリ(しかも桐子は男装)。戦場シーン中心だから、必然的にそうなるんだけど。
 ただ、蒙古軍の上陸作戦に関しては、もう少しわかりやすく描いて欲しかったところ。船上の合戦シーンには、お金かかってます。ここで時輔と桐子を再会させるのか。なるほどね。


第34回(8/26放送)
☆☆☆
 前回が「蒙古襲来前夜」、今回が「蒙古襲来(1)〜九百隻の大船団」、そして次回が「蒙古襲来(2)〜奮戦!水軍城」と、「蒙古襲来」を冠した副題でとにかく押してるんだけど、緊迫した様相としては、鎌倉内部での対立してた時ほどには高まってきてないかな。まぁ、これからでしょう。食いつきとしては、いきなりの字幕は辛いだろうけど。台詞の一切ない予告編の作り方は、なかなかにうまい。今後への期待感が高まります。


第33回(8/19放送)
☆☆★
 蒙古襲来を前に、16分にもおよぶ事の顛末大復習大会。最初のクレジットに死んだキャストが大挙復活してたから、おかしいとは思ったんですよね。唯一の新鮮は、松浦党の謎の踊り。
 本編よりインパクトがあったのは、次週以降の予告編です。これは金かかってるでしょう。


第32回(8/12放送)
☆☆☆
 時宗のジレンマを和泉元彌が一所懸命演じています。祝子の西田ひかるも一所懸命さでは負けていない。大河にあってそんなレヴェルで誉めていいものか、疑問ですけど。
 ドラマの澱みは時代の澱みを見事に表現している証拠。目の澱みでは頼綱(北村一輝)が一番かと思いきや、その妻禎子(寺島しのぶ)更にその上をいく。


第31回(8/5放送)
☆☆☆★
 薄手になったキャストのてこ入れ組として、渡辺徹、石橋蓮司といったツワモノどもが勢ぞろいしました。まだまだレギュラー陣とは、演技のテンションに温度差があるけど(初登場組、テンション高すぎ!!)、まぁ、あと数回もすれば、見ながらに慣れるでしょう。
 祥子の死が心を打つ。馬に乗るふりさえしてくれたともさかりえの熱演に★プラス。姿を消した服部役の室田日出男もまた、はまり役でした。日蓮には、まだまだ出番があるのか。生き延びた時輔の赤いスカーフは、ほとんどスナフキンの趣。


第30回(7/29放送)
☆☆☆
 これまででは一番キャストが薄い回?! うじきつよし演じる竹崎季長をはじめとした新キャラ移行期ということか。しぶとく、時輔は生きてましたけど。渡辺“ブロンズ像”謙の代わりに、人がいいだけの坊ちゃん風が益々ハマる時宗(和泉元彌)に取り付くのは、髪ボサボサの時輔?!
 頼綱(北村一輝)の告白が感動的。時宗が、高そうな着物を海に濡らしただけのことある。心の臓の病で倒れた政村(伊東四郎)を助け起こす時宗の右手が激しくもじもじしてるのが妙に気になったけど。


第29回(7/22放送)
☆☆☆
 時輔(『恋がしたい×3』の時とは似ても似つかぬ究極のナルなニヒリズムを見せつける渡部篤郎)、祥子(人生最高の活舌を聞かせるともさかりえ)、宗尊親王(腹芸も見納めか、吹越満)、桔梗(ダークサイドの人間としては中途半端な印象の原田美枝子)を矢継ぎ早に葬り去る展開は、まさに“ゴッドファーザー”。再びの“ゴッドファーザー愛のテーマ”風の劇中曲にその思いを強める。ただ、時輔の殺陣のシーンの映像は、ちょっと生っぽすぎませんでしたか。スローモーションだけってのは、能がない気がしたんだけど。
 涼子(浅野温子)の髪を下ろすシーンの力の入り方といったら、『マリア』の女赤ひげの時以上。マイケル・コルリオーネ(アル・パチーノ)とまではいかないまでも、吐きそうなくらいに苦悩する時宗に、和泉元彌のお坊ちゃんなキャラクターはピッタリでしょう。冒頭の、渡辺“ブロンズ像”謙アンコール、ありがとう。今度こそ見納めか?!


第28回(7/15放送)
☆☆☆★
 暗黒をもって暗黒を制す!! 大駱駝艦の方々の暗黒な大暴れぶりといったらもう、時宗が瞬間的に見えなくなるほど。しかし、そんな多勢を向こうにまわしても、たった一人で全部持っていったのが、お久しぶりの渡辺“ブロンズ像”謙。もしかしたら、これがラストの「時輔を殺せ」かもしれない。一人、活舌の悪かった時章(白竜)死す。


第27回(7/8放送)
☆☆☆★
 暗雲の立ち込め方が凄いねぇ。歴史のいたずらが極まってきております。やはり北条氏の話はドラマティックで面白い。祝子の籠が襲われるシーンのサスペンスには、映画的な上手さがありました。


第26回(7/1放送)
☆☆☆
 時輔(渡部篤郎)と時宗(和泉元彌)の対決は、大いに見ごたえがありました。陰謀の渦は益々広がりを見せてきているだけに、その明暗のコントラストが、この感動の兄弟対話に更なる緊張感を与えていました。


第25回(6/24放送)
☆☆☆
 サウンド&ビジュアル全開で渡辺“ブロンズ像”謙、大盤振る舞い。安心とは無縁の役者奥田瑛ニも、どうしたことか坊主役の時だけは安心感があります。安心していいシーンは一つもないんだけど。これで拝めなくなるかと思うと、ちょっと悲しい。


第24回(6/17放送)
☆☆☆
 松浦党の佐志房(藤竜也)とその子、勇(吉守京太)との“静かなる男”風(?)格闘シーンが感動的。祝子(西田ひかる)は身ごもったというのに、時宗(和泉元彌)は桐子(木村佳乃)と鎌倉の街でアイ・コンタクトかい。桐子はいつの間に日蓮(奥田瑛ニ)のところに居候してたの?細部の話ばかり書きましたが、展開は実にワールド・ワイドでダイナミックです。


第23回(6/10放送)
☆☆☆
 慎重に様子見してまいりましたが、和泉元彌の時宗は大丈夫そうじゃないですか。うれしい誤算というべきか、演技のリアリズム不足が真っ直ぐな気性にピッタリきてる。何しろ、まだ19歳の役ですからね。
 桐子が絶好調です。乗馬姿も門前払いされる姿も、何だか妙に微笑ましい。向学心を示す時輔との対決には、頬が緩んでしまいました。平頼綱の北村一輝は、今回も目がウルウルでコワかったですねぇ。誰かと思ったら「雨上がり」の宮迫じゃないか。「鎌倉は海の都にござる」の夕日がまぶしいラストに、見てる方も身が引き締まる思いでした。ともさかの活舌も回を追う毎に精度があがってきてますよ。
 予告編の煽り方がいい。でもそのわりには、視聴率が伸びてきませんねぇ。


第22回(6/3放送)
☆☆☆
 もはや、視聴率無視を決め込んだのか?!オープニングの、ブンブンブンの“分”で蜂!にその意気込み(投げやり)が伝わってまいりました。その調子、その調子。
 得宗家・和泉元彌と反得宗・白竜の対決は、言い換えれば活舌対非活舌の対決。この勝負は史実通りに、得宗家(活舌派)の勝ち?! 更には、和泉元彌、頼綱のミニ声帯模写つき。
 鎌倉、京、博多、そしてモンゴルと4つの話はその配分が絶妙で、登場人物の細かい動かし方もうまいですねぇ。今回の激動、朝廷はまさに「どこもかしこも闇じゃ」の日蝕の災い。時輔ならずとも癒されるともさか“祥子”りえの膝枕。年越しそばの豆知識は一生ものでした。


第21回(5/27放送)
☆☆☆
 覚山尼、十朱幸代って初登場だっけ?! そこには若かれし頃のアメリカン(西田ひかる)な面影はなし。また出たぁ、渡辺“ブロンズ像”謙!! これが出ると、何か得した気分になって、ご報告せずにはいられなくなるんです。錦野旦、一言たりとも日本語を発しないままに日本を去る。
 愛のテーマモドキにのって、またまたゴッドファーザーみたいになってまいりました。頼綱v.s.日蓮、泰盛v.s.時輔のほの暗い対決は見ごたえ充分。風に吹かれるマント姿の桐子が唯一の清々しさか、この暗黒ぶりよ。


第20回(5/20放送)
☆☆☆
 蒙古の国書をめぐる攻防はダイナミックでこんなにも面白いのに、どうして視聴率はドンドン下がっていくんでしょうねぇ。じっとりとした独特の暗さが災いしてるんでしょうけど、何もひるむことはない。ガンガンやってください。いかにもフィクションな仕掛けも暗黒だもんなぁ。
 久々に出た〜っ!渡辺“ブロンズな地獄の黙示録”謙!一筋の光明は母の改心か。


第19回(5/13放送)
☆☆☆★
 視聴率はイマイチも、ドラマは盛り上がってきてますよ。第一声「お待ちくだされ」と腹の底から声を出させれば和泉元彌、さすがに家元の貫禄だねぇ。ラストの時宗・時輔の対決も見ごたえがありましたが、今回の白眉は謝国明・佐志房の掛け合いか。
 木村佳乃の桐子は、『元禄繚乱』で葉月里緒菜がやったお亀を連想させる凛々しさ。うなぎ屋(『嫁はミツボシ。』)より絶対こっちだろう。


第18回(5/6放送)
☆☆☆
 このドラマには珍しく、国書を開ける開けないでまず一笑い。ストップモーションまで使った出血大サービスです。それからは怒涛の大荒れの展開になるんだけど、ドラマ自体は非常に安定してきた感じを受けます。評定までのエピソードの積み重ね方といったら、高級車がすべるように走る様そのもので、安心感さえあります。ドラマとしての唯一の波乱の予兆は、西田ひかるのアメリカンぶりぐらいか。錦野旦はいまだに一言たりとも日本語を発せず。


第17回(4/29放送)
☆☆☆★
 蒙古、博多、六波羅探題、そして鎌倉と話の手際が実にいいですねぇ。それぞれに役者がちょうど上手い具合に配分されてて、どこのみどころも落ちないのはさすが。先日テレビでやってた『本覺坊遺文千利休』を見て改めて思ったんだけど、普段は危なっかしい奥田瑛ニも、坊主役の時には安心して見ていられます。ちょっと異様に映ったのが、錦野、北大路、松重、藤竜也の全員が日本語をしゃべっていなかったシーン。高麗からの使者が日本人である必要あるのかは疑問だけど。北村一樹扮する平頼綱はホモ?木村佳乃は『嫁はミツボシ。』よりこっちの方がいいなぁ。操り人形みたいな動きがかわいい。


第16回(4/22放送)
☆☆★
 今回はもっと激しくてもよかったかな、静かな更迭劇。“ゴッドファーザー愛のテーマ”風の劇中曲がいかにもそれっぽい。川原亜矢子の唇が震えている。台詞がなくても妖怪ぶりは全開の清川虹子。必要以上に普通で怖い渡部篤郎。何だか山崎努化してる藤竜也の胸のはだけ方も凄いねぇ。密かに蒙古襲来まで3000日を切っております。


第15回(4/15放送)
☆☆☆
 陰謀のドラマが盛り上がるにつれて、俳優陣の演技合戦もますます白熱してきております。この回も怖い人大集合!清川虹子なんか、ほとんど妖怪だったもん。奥田“日蓮”瑛ニの割れた額、怖すぎます。北村一輝の目のウルませ方も危なすぎる。こうなったら、木村佳乃以外に清々しい人が一人もいないという徹底ぶりを貫いて欲しい。
 ノロヴバンザドのオルティンドーをフィーチャーした栗山和樹のスケール感のある音楽が最高にかっこいい。


第14回(4/8放送)
☆☆☆
 「すさまじきもの、北条おいてほかになし」(by宗尊親王、吹越満抜群!!)ってまさにって感じの展開。予想通り、渡辺“ブロンズ像”謙の遺言シーン、なお回想続行中。ともさかりえが戻ってきてくれたのにはホッとしました。当分まだ、彼女が拝めそう。それにしても、西田ひかるのリアクションはアメリカ人じゃないですか。


第13回(4/1放送)
☆☆☆
 やっぱり出ました、あの恐ろしき、渡辺“ブロンズ像”謙の遺言シーン!! このシーンがリピートされる度に見てる方もドキドキするんだから、和泉元彌の上気を逸した取り乱し演技も、まぁ、許容範囲かもね。それにしても北条ネタの大河っていいんだよなぁ。『草燃える』級の出来が期待できそうな序盤でしたが、ここからが本当の勝負でしょう。とりあえずは、今回の大河は見続ける価値ありです。


第12回(3/25放送)
☆☆☆
 今後はあの恐ろしき、渡辺“ブロンズ像”謙の遺言シーンが何度となくリピートされることになるんでしょうか。ここからは『ゴットファーザーPARTU』。川崎麻世は上手くなったよなぁ。


第11回(3/18放送)
☆☆☆
 壮絶!座して死すなんて様、はじめて見ました。渡辺謙はブロンズ像みたいになっちゃって、ひたすら怖かった。時頼役は久々の当たり役だったのでは。展開は段々『ゴッドファーザー』みたいになってきましたねぇ(音楽もそれっぽいのがあるし)。宇宙戦艦ヤマトばりのカウントダウンも何か懐かしくてよい。唯一の心配は西田ひかるか。


第10回(3/11放送)
☆☆☆
 大人キャストになっても、まだ渡辺謙がいるから大丈夫。彼はいい役者になったよなぁ(『はね駒』再放送と見比べるにつけ、改めて思う)。次回以降が心配だけど。木村佳乃が『元気をあげる』以来にかわいい。


第9回(3/4放送)
☆☆☆
 とうとう登場した大人キャストがどこまでやってくれるか、しばらくは見守りましょう。早くも西田ひかるに不安になりましたけど。


第8回(2/25放送)
☆☆☆
 視聴率も少し盛り返してるみたいですけど、やっぱりこのドラマ、かなり面白いでしょう。いたるところに対立の構図が仕組まれているあたりも、ザ・大河って感じで心がときめきます。もう一人の由美子さん(井上)って、今までどうもピンとこなかったんだけど、今回は独特の暗さが生きてて、なかなかいいんじゃないでしょうか。


第7回(2/18放送)
☆☆☆
 イメージ通りのえげつない権力者像を貫禄充分に演じきっている渡辺謙の顔がとにかく怖い!! 脇まで配役も揃ってるし、なかなかに面白いと思うんですけど、視聴率は地を這ってますねぇ。日本と蒙古、並行して描くなんて、スケール大きすぎて誰もついて来れないでしょう。


第6回(2/11放送)
☆☆☆
 視聴率は悪いけど、金はかかってます。謝国明の船、博多のセット、ともに凄すぎる。こどもの忍者系桐子もかわいい。『慶喜』以来に楽しんでいます。


第5回(2/4放送)
☆☆☆
 やっぱり今こそがピークと見た。日本横断行脚に出かけちゃう展開なんて、高派も極まった感じ。浅野温子にも慣れてきたところで(彼女が慣れてきた?)、鬼のいぬ間に、今を楽しみましょう。


第4回(1/28放送)
☆☆☆
 もしかしたら、今がこの作品のピークのなのかも。もうしばらくは問題の主役不在で安心です。題材の渋さもあるので視聴率的な克服は無理でしょうけど。


第3回(1/21放送)
☆☆★
 話の意図が見えてきて、流れについていけるようになってきた。それにしても、篠原涼子が牧瀬里穂よりも大きい役やってるって、どういうこと?


第2回(1/14放送)
☆☆★
 奥田瑛ニの派手な登場に思わず苦笑。視聴率には関係ないでしょうけど。それにしてもオープニングのCG、PS2みたい。


第1回(1/7放送)
☆☆
 初回で19.6%とは、かなり厳しいですねぇ。よく知らない話だから、勉強にはなりそうですけど。浅野温子には違和感があった。




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